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銀(シルバー)とは?

「金は高すぎるから、まず銀から」と言われることがありますが、銀は金の安い代わりではありません。

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この記事の要点

  • 銀は電気を通す力が金属の中でもっとも高く、電子部品や太陽光パネルなど工業でも大量に使われます。
  • 工業で使う量が多いぶん、景気の良し悪しが金より値段に効いてきます。
  • 不景気では、金のような逃げ先として買われず、株と一緒に下げることがあります。
  • 金より市場が小さいため、同じ金額の売り買いでも値段が大きく動きます。
  • 過去には1年で3割を超えて下げた年があります。深く下げるほど、戻るのに必要な上げ幅も時間も伸びます。
  • 持っているあいだ、配当も利息も生みません。値段が上がらなければ10年持っても増えません。
  • 米ドル建てで取引されるので、円で見た結果には為替も掛かります。

結論から

銀は金と同じ貴金属ですが、工業でも大量に使われる金属です。 景気の良し悪しに金より敏感で、値動きも荒くなります。 そして金と同じく、持っているあいだは配当も利息も生みません。

「金は高すぎるから、まず銀から」という始め方を見かけます。 値段が手ごろなのは事実ですが、金の安い代わりではありません。動く理由が違います。

この記事では、銀が何に使われている金属なのか、 金と何が違うのか、そして持つと決めたときに何が効いてくるのかを整理します。

宝飾品だけでなく、工業でも大量に使われる

銀の需要は、宝飾品や銀食器、投資用の地金やコインだけではありません。電気を通す力が金属の中でもっとも高いという性質から、 工業の材料として大量に使われています。

  • 太陽光パネル(電気を集める配線に使われる)
  • 電子部品・接点(スイッチやセンサーなど)
  • 自動車の電装品(1台あたりの使用量は電動化で増えてきた)
  • ろう付けや医療用の材料

この用途の広さが、値段の動き方を決めています。 工業で使う量が多いということは、景気が良くなると需要が増え、悪くなると減るということです。 金よりも、実体経済の調子が値段に効いてきます。

マネック(案内役):銀は「貴金属」でもあるけど、実際には「材料」としての顔のほうが大きいんだ。 ここを押さえると、金と値動きがそろわない理由が見えてくるよ。

需要と供給の内訳は、業界団体や米国地質調査所(USGS)が毎年まとめて公表しています。 数字は年によって動くので、気になったときに一次情報を見に行くのが確実です。 このページの下に、参照した一次情報へのリンクを置いています。

金とは、動く理由が違う

金は、需要の多くが投資と宝飾で占められます。 工業で使われる量は相対的に小さく、「通貨や金融への不安が高まると買われる」という動き方をします。

銀にもその面はあります。実際、金が買われる局面で銀も一緒に上がることはよくあります。 ただ、不景気になると話が変わります。 金は逃げ先として買われる一方、 銀は工業の需要が細るため、株と一緒に下げることがあります。

金銀
主な用途投資・宝飾工業・投資・宝飾
景気との関係薄い(逃げ先になりやすい)強い(需要が減る)
市場の大きさ大きい小さい
値動きの荒さ貴金属としては穏やか荒い
持っている間の収入なしなし

「金と銀は同じ動きをする」と考えて分散のつもりで両方を持つと、 期待した効果が出ないことがあります。 逆に、違う動きをする局面があるからこそ意味がある、という見方もできます。 どちらの理解で持つのかを決めておいてください。

銀を見るときによく使われる見方に、金銀比価があります。 金1オンスが銀何オンス分にあたるかを表した数字で、 この値が大きいほど「金に比べて銀が安い」と読まれます。

ただし、この数字は割安かどうかを決めてくれるものではありません。 需要の構成が違う2つの金属を比べているだけなので、 工業の需要が細っている局面では、比価が高いまま何年も動かないことがあります。目安のひとつであって、買い時を教えてくれる指標ではありません。

金そのものの性質は金(ゴールド)とは?で扱っています。先にそちらを読むと、違いがはっきりします。

なぜ値動きが荒いのか

銀は金に比べて市場が小さい金属です。 市場が小さいと、同じ金額の売り買いでも値段が大きく動きます。 資金が入ってきた局面では急に上がり、引いた局面では急に下がります。

そこに工業の需要が重なります。 景気の見通しが変わると需要の見通しも変わり、 投資の資金の動きと同じ向きに重なることがあります。 上げも下げも増幅されやすい構造です。

深く下げた資産が、もとの値に戻るまでの道のり下げる前の値いちばん深いところ下げ幅ここでやっと元通り半分なら2倍、8割下げたなら5倍にならないと戻らない
半分になったものが元に戻るには、そこから2倍にならなければなりません。8割下げたなら5倍です。下げ幅が深いほど、戻るのに必要な上げ幅も、かかる時間も伸びます。持ち続けられるかどうかは、この谷の深さと長さで決まります。

過去には、1年で3割を超えて下げた年があります。 半分になったものが元に戻るには2倍にならなければなりません。 下げ幅が深いほど、戻るのに必要な上げ幅も、かかる時間も伸びます。

値動きが荒い資産は、少額なら「まあいいか」で済みますが、 金額が大きくなると同じ率でも耐えられなくなります。 100万円の3割は30万円、1,000万円の3割は300万円です。 率ではなく金額で、いくらまでなら下がっても持ち続けられるかを考えてください。
持っているあいだにお金を生む資産と、生まない資産資産の種類持っているあいだ増える理由株式配当値上がり+収入債券利息値上がり+収入不動産・リート家賃値上がり+収入金なし値上がりだけビットコインなし値上がりだけ下の2つは、値段が動かなければ1円も増えない
株式・債券・不動産は、値段が動かなくても持っているあいだに配当や利息、家賃が入ります。金とビットコインは何も生まないので、増えるのは値段が上がったときだけです。減る側も同じで、値段が下がればそのまま減ります。

もうひとつ、忘れやすいのがこれです。銀は持っているあいだ、配当も利息も生みません。株式なら配当、債券なら利息が入りますが、銀にはそれがありません。 値段が上がらなければ、10年持っても増えません。

円で見ると、為替が乗る

銀は世界では米ドル建てで取引されます。 日本に住んでいて円で生活している人にとっては、銀の値動きと、ドル円の動きの両方が結果に掛かります。

円安が進んだ期間は、銀の値上がりに為替の分が上乗せされます。 反対に、銀の値段が上がっていても円高が進めば、 円で見た資産は思ったほど増えません。下がることもあります。

「銀が上がった」というニュースと、自分の口座の評価額が合わないときは、 たいてい為替が間に入っています。自分の金額で、銀と為替のどちらが効いたかを確かめると、2つを切り分けて見られます。

年ごとに何%動いたかは銀の年間騰落率に並べています。米ドル建てと円換算を対で出しているので、 為替がどれだけ効いた年かが分かります。

買い方と、かかる費用

日本から銀を持つ方法は、おおむね次の4つです。 どれを選んでも銀の値動きは同じですが、費用と手間が変わります。

方法費用のかかり方気をつけること
地金・コイン売買の差と保管保管の場所と、盗難の心配が別にかかる
純銀積立買付手数料と年会費少額から始められるが、費用の率は高めになりやすい
ETF・投資信託毎年の経費証券口座で完結する。現物は受け取らない
銀鉱株売買手数料会社の業績にも左右される。銀そのものとは別の資産

地金やコインで持つ場合、買う値段と売る値段には差があります。 買った瞬間から、その差のぶん含み損を抱えた状態で始まります。少額を短い期間で売り買いするほど、この差が結果を削ります。

ETFや投資信託で持つ場合は、保管料にあたる経費が毎年引かれます。 年あたりでは小さく見えても、持つ年数だけ積み上がります。 値段が動かなかった期間は、その分だけ確実に減ります。

もうひとつ、銀には金と違う費用があります。 日本で地金を買うときに消費税がかかる点は金と同じですが、1グラムあたりの値段が金よりずっと安いため、同じ金額でも量がはるかに多くなります。 量が多いということは、置く場所も、運ぶ手間も、保管の費用も増えるということです。 現物で持つつもりなら、この点は先に考えておいてください。

銀鉱株は、銀を掘る会社の株式です。 銀の値段が上がっても、その会社の業績や借入の状況によっては株価が下がります。銀そのものを持つのとは別の資産だと考えてください。

持つと決めたら、次に決めるのは出口です。 銀は配当も利息も生まないので、売って初めて結果が確定します。 いつ売るのか、どうなったら売るのかを先に決めていないと、 上がれば「もっと上がるかも」、下がれば「戻るまで待とう」となり、 結局いつまでも売れないまま費用だけが積み上がります。

決め方は、金額でも期間でもかまいません。 「全体の何%を超えたら一部を売る」でも、「何年後に見直す」でもよいので、買う前に紙に書いておくことが効きます。 値段が動いてから考えると、そのときの気分が判断に混ざります。

資産全体の中での置き方も、先に決めておいてください。 値動きが荒い資産は、増えた局面で比重が勝手に大きくなります。 気づいたら全体の何割にもなっていた、という状態を避けるには、 上限を決めて、超えたら戻す形にしておくのが簡単です。

積立の形で少しずつ買う方法もあります。値動きの荒い資産ほど、 買う時期を分けることで平均の取得価格が極端になりにくくなります。 ただし、費用の率は少額ほど高くつきやすいので、分けて買う利点と、費用の重さを見比べて決めてください。毎月の金額が小さいほど、手数料の占める割合は大きくなります。 年に一度は、実際に引かれた費用がいくらだったかを明細で確かめてください。 思っていたより重ければ、持ち方そのものを見直す手もあります。

どの方法で持つにせよ、先に決めておきたいのは金額です。 生活費や近く使う予定のお金は入れないでください。 手元にいくら残すかは生活防衛資金の診断で決められます。

よくある質問

金と銀を両方持てば、分散になりますか?
同じ方向に動く局面も多いので、期待したほどの分散にはなりません。一方で、不景気には金が買われて銀が売られるなど、違う動きをする局面もあります。分散のつもりなのか、違う性格の資産として持つのか、目的を決めてから持ってください。
銀は金より値上がりしやすいのですか?
市場が小さいぶん、上げる局面では金より大きく上がることがあります。ただし同じ理由で、下げる局面でも大きく下げます。「上がりやすい」ではなく「振れ幅が大きい」と考えてください。
銀鉱株を買うのと、銀そのものを買うのは同じですか?
違います。銀鉱株は銀を掘る会社の株なので、その会社の業績や借入の状況にも左右されます。銀の値段が上がっても株価が下がることがあります。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては金融庁のNISA・つみたて投資枠のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。