8つの軸のひとつ

価格変動への姿勢

安定重視積極投資

もとは「安定 ↔ 成長」だったが、成長という価値の高い言葉を片側に置いていた。「成長したいか」と訊かれれば、多くの人が成長側をよいものとして受け取る。そのうえ、リスクを取れば成長するとも限らない。抑制側は下落局面で売らずに済む形を選べ、許容側は期間の長さを使える。

この軸に優劣はありません。どちらの側にも強みと、注意すべきことがあります。 診断では6問で測り、0〜100のスコアで出します。50が中間で、そこからどちらへどれだけ寄っているかを見ます。

安定重視

値動きを抑えたい

増やすことより、減らさないことを先に考えます。だから相場が下がった月に慌てて売る、という失敗はまず起きません。一方で、値動きのないところに置いたお金が物価に追いつかない年が続いても、そちらの目減りは数字として目に入りにくい。守れているかどうかは、残高ではなく、使う日に足りるかどうかで確かめることになります。この考え方が強いのは、使う時期が決まっているお金です。

傾向:元本が減ることを重く見ます。値動きのある資産は少なめに置いておきたいと考えます。

強み:下がった局面で、売らずに済む

資産が減る展開でいちばん損をするのは、下がったところで売ってしまう人です。はじめから受け入れられる範囲に収めているので、相場に生活を揺さぶられません。長く続けるうえで、これは軽くない強みです。

注意すべきこと:物価が上がると、実質的な価値が目減りする

預金は額面が減りません。ただし物価が年2%上がると、10年で同じ100万円がおよそ82万円ぶんの買い物しかできなくなります。減っていないように見えて、使える量は減っています。

対策:考え方は変えない。使う日で分ける

「もっとリスクを取りましょう」という話ではありません。手元のお金を使う日で分けて、いちばん遠いぶんだけ置き方を見直します。分ければ、慎重さを崩さずに目減りへの手当てができます。

  1. 1.手元のお金を「3年以内に使う」「10年は使わない」「それ以外」の3つに分ける
  2. 2.いちばん遠いぶんだけ置き方を見直す。近い将来のお金は抑えたままでよい
  3. 3.いまの預金が10年後に何円ぶんの買い物になるかを、一度だけ計算する
  4. 4.見直すのは金額ではなく、期間の区切りのほう
  5. 5.動かすと決めた分は、少額から始めて下がった月の自分を見る

この考え方だと、こちら側の話になりやすい

勧めているものではありません。金額や使う時期は訊いていないので、何をいくら持つかは決まりません。

資産の種類
普通預金・定期預金個人向け国債(変動10年)国内債券インデックス先進国債券(為替ヘッジあり)元本確保型の年金商品(定期預金型・積立保険型)MRF・MMFなどの短期金融資産
持ち方・回し方
満期まで持ち切る満期の時期を階段状に分ける(ラダー)使う日に満期を合わせる為替の振れを避けたい部分はヘッジありを選ぶ預金保険の範囲を意識して預け先を分けるiDeCo・企業型DCの元本確保型を、値動きを持たない置き場として使う
何を見て決めるか
増える幅ではなく、使う日に元本が戻るかで選ぶ

確認する数字

  • 3年以内に使う予定の額
  • 10年以上使わないと言い切れる額
  • いまの預金が10年後に持つ実質的な価値

積極投資

値動きを受け入れて見返りを狙う

値動きの幅は、見返りを取りに行くための代金だと考えます。下がった局面でも持ち続けられるので、時間の長さをそのまま味方にできます。ただ、上がっているあいだは一つに寄っていることに気づきにくく、気づくのはたいてい下がったあとです。取れる見返りよりも、耐えられる下落幅のほうから量を決めると、この強みが長持ちします。続けられるかどうかを決めるのは相場ではなく、下がった月に売らずに済む金額かどうかです。

傾向:値動きの幅を受け入れられると考えます。そのぶんの見返りを取りにいきます。

強み:期間の長さを、そのまま味方にできる

値動きのある資産の成果は、置いておける期間の長さで大きく変わります。下げた月に売らずにいられるので、期間を使い切れます。同じ商品を持っていても、途中でやめる人とは結果が変わります。

注意すべきこと:集中しすぎていることに、上がっているあいだは気づけない

値動きを受け入れられることと、リスクの量を測れていることは別です。1つの資産に寄っているとき、上がっている局面ではそれが判断の正しさに見えます。問題が見えるのは下がったときで、そのときには量を減らせません。

対策:上限を先に書く

減らすのではなく、上限を決めるほうです。1つの資産に置く割合の上限と、最大でいくらまで減っても生活が変わらないかを、買う前に紙に書いておきます。下がってから決めようとすると、まず決まりません。

  1. 1.1つの資産に置く割合の上限を、買う前に紙に書く
  2. 2.最大でいくら減っても生活が変わらないかを、金額で書く
  3. 3.いちばん大きい1つが全体の何割かを数える
  4. 4.3年以内に使う予定のお金を、値動きのあるものから外す
  5. 5.上限を超えたときに何をするかを、先に決めておく

この考え方だと、こちら側の話になりやすい

勧めているものではありません。金額や使う時期は訊いていないので、何をいくら持つかは決まりません。

資産の種類
国内株式先進国株式新興国株式全世界株式インデックスJ-REIT・海外REIT金・コモディティ
持ち方・回し方
長期で持ち続ける時間を分けて買う(積立・ドルコスト平均法)地域と資産クラスを分ける年1回のリバランスNISAの成長投資枠とiDeCoは、当面使う予定のない分に充てる
何を見て決めるか
取れる見返りではなく、耐えられる下落幅から量を決める

確認する数字

  • いちばん大きい1つが、全体の何割か
  • 全体が3割下がったときの損失額
  • 働けなくなっても暮らせる月数

この軸で訊いていること

6問です。半分は逆転項目(「逆」)で、6から押した値を引いて使います。 全部を同じ向きで訊くと、読まずに端へ寄せた回答がそのままスコアになるためです。

  1. 1.当分使う予定のないお金なら、途中で値動きがあってもかまわない
  2. 2.元本が減る可能性があるなら、増えなくてもかまわない
  3. 3.持っている資産が1年で2割下がっても、使う予定がなければそのままにしておく
  4. 4.資産が減った月は、その額が気になって落ち着かない
  5. 5.資産の値動きの幅が大きくても、その分の見返りが見込めるなら受け入れられる
  6. 6.お金は、額が動かないことのほうが大事だ

ほかの軸と重なったときに出てくること

軸を1つずつ見ていると出てこない話です。診断では、 どちらの軸もはっきり出ているときだけ出します。

積極投資 × 資産成長派

上がっているあいだは、集中していることが正しさに見える

値動きを受け入れ、受け取らずに総額で見る組み合わせです。この2つがそろうと、伸びている1つに寄っていきます。寄っている状態は、上がっている局面では判断が当たっている証拠に見えるので、減らす理由が見つかりません。問題が見えるのは下がったときで、そのときにはもう量を動かせません。

積極投資 × 機会重視派

いちばん高いところで、いちばん動きたくなる

値動きを受け入れられることと、逃したくない気持ちが重なっています。逃したくない気持ちは、話題がいちばん大きくなったときにいちばん強く働きます。その時期は、たいてい価格も高くなっています。動いたあとに下がると、今度は耐えられずに手放すことになります。

積極投資 × インカム派

「増えて、しかも受け取れる」を満たすものに寄っていく

値動きを受け入れる気持ちと、受け取りたい気持ちの両方を満たす商品は、配当利回りの高い株式に偏りがちです。利回りが高いのは、価格が下がっているか、無理に配っているかのどちらかであることが多く、その理由を見ないまま銘柄数が絞られていきます。

目標逆算派 × 積極投資

必要な利回りから決めて、耐えられる下落を後回しにする

目標額と期間が先にあると、そこから「年◯%必要だ」という数字が出ます。そのあとで、その利回りが取れそうな置き方を探すことになります。この順序だと、リスクの量が目標の側から決まってしまい、自分が実際にどこまでの下落に耐えられるかを一度も確かめないまま踏み込むことになります。

積極投資 × 状況判断派

いちばん多く買える月に、いちばん決めにくい

値動きを受け入れられることと、下げた月に判断できることは別です。大きく下がった月は、同じ金額でいちばん多く買える月ですが、同時にいちばん決心がつかない月でもあります。結果として、上がっている月に買い、下がっている月に見送る形になりやすくなります。

安定重視 × ルール派

安全な側で固定されて、物価上昇に気づかない

値動きを抑えた形を決めて、そのまま回している状態です。額面は1円も減らないので、問題があるようには見えません。ただし物価が年2%上がると、10年で同じ100万円がおよそ82万円ぶんの買い物しかできなくなります。ルールで回しているぶん、それを確かめる機会が来ません。

安定重視 × 資産成長派

増やしたいが減らしたくない、で動けなくなる

総額が増えることを望みながら、値動きは避けたいと考える組み合わせです。この2つは同時には満たせないので、結論が出ないまま預金に置かれたままになりやすくなります。どちらの気持ちも正しいので、意思の問題ではありません。

安定重視 × インカム派

利回りの高さが、安心の材料になってしまう

値動きを抑えることと、受け取れることを両方重く見る組み合わせです。そのため、利回りが高いものほど「よいもの」に見えやすくなります。実際には、利回りが高いのは価格が下がっているからであることが多く、安心の材料にしていたものが、いちばんリスクの大きい部分だった、という形になりがちです。

機会重視派 × 安定重視

気持ちと置き方が、反対を向いている

やらずに逃すほうが悔しいと感じる一方で、値動きは避けたいと考えています。この2つが強く出ていると、相場が上がった局面で「やっぱり入っておけばよかった」と感じ、いちばん高いところで動きやすくなります。動いたあとに下がると、今度は抑制側の感覚が戻ってきて売ってしまいます。

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