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残クレとは?

残クレの月々が軽いのは、車が安くなったからではありません。払う範囲を狭くして、残した分を最終回まで先送りしているからです。

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この記事の要点

  • 残価設定型クレジットは、車両価格の一部を「残価」として最後まで払わずに残し、残りを分割して払う契約です。
  • 月々が軽いのは値引きではなく、払う範囲が狭いからです。残価は消えず、最終回に払うか、車を返して相殺します。
  • 「最終回0円」で終われるのは車を返すからで、返した時点で手元に車は残りません。
  • 残価は契約上の最終回支払額であって、その金額で売れることを保証するものではありません。
  • 残した分の元本は最後まで減らないため、同じ年数・同じ利率でも利息の総額は通常のクレジットより大きくなりがちです。
  • 見積書で確かめるのは、最終回支払額・実質年率・支払回数・走行距離の条件の4つです。

残クレとは

残価設定型クレジット(残クレ)は、車両価格の一部を「残価」として最後まで払わずに残し、残りを分割して払うクレジットです。 メーカーによって呼び名が違い、トヨタは残価設定型プラン、日産はBVC(バリュー・ビルディング・クレジット)、 ホンダは残価設定型クレジットと呼んでいます。仕組みはどれも同じです。

月々が軽くなるのは、車が安くなったからではありません。払う範囲を狭くして、残した分を最終回まで先送りしているからです。 残価は消えません。契約が終わるときに、払うか、車を返して相殺するかのどちらかになります。
残クレは、車両価格の一部を最後まで払わずに残す通常のクレジット車両価格の全部を分割して払う残価設定型クレジットここだけを分割して払う残価最終回に残る同じ車・同じ値段。月々が軽いのは、払う範囲が狭いから
上が通常のクレジット、下が残価設定型クレジットです。車の値段は同じでも、分割して払う範囲が違います。残した部分(残価)は最終回まで残り、消えるわけではありません。

契約が終わったときに選べるのは3つです。車を返す、同じ販売店で新しい車に乗り換える、 残価を払って買い取る。返す場合と乗り換える場合は、 条件を満たしていれば最終回の支払いがありません。買い取る場合は残価を払います。

ここで多いのが「最終回0円」という言葉の読み違いです。 0円で終われるのは車を返すからであって、安く買えたからではありません。 返した時点で、手元には車がありません。 同じ年数を現金やローンで買った人は、その時点で車を持っていて、売れば代金が入ります。 比べるときは、終わったあとに車があるかどうかをそろえる必要があります。

マネック(案内役):「最終回0円」って聞くと得した気がするけど、車を返してるからだよ。 返す前提なのか、乗り続ける前提なのかで、話がまるで変わるんだ。

なぜ月々が軽くなるのか

通常のクレジットは、車両価格の全部を支払回数で割ります。 残クレは、車両価格から残価を引いた分だけを割ります。割る対象が小さいので、1回あたりの額が下がります。

たとえば車両価格が同じでも、残価を車両価格の4割に設定すれば、 分割するのは残りの6割です。回数が同じなら、毎月の支払は単純計算で6割の水準になります。 この「軽さ」は値引きでも割引でもなく、払う時期をずらしただけです。

月々の棒だけを見ると、最後の1本が視界に入らない通常のクレジット残価設定型クレジット最終回毎月はこの高さ毎月は低い。ただし最後が高い比べるなら、棒を全部足してから
左が通常のクレジット、右が残価設定型クレジットです。残クレは毎月の棒が低いかわりに、最終回に高い棒が1本立ちます。この1本を数えないまま「月々が安い」と比べると、順番が入れ替わります。

棒グラフにすると、残クレの毎月の棒は低いかわりに、最終回に高い棒が1本立ちます。 月々の額だけを並べた比較は、この1本を数えていません。 トヨタは公式サイトに、買い上げを選んだ場合は 「最終回のお支払額(残価)を含めたお支払合計額は、一般的なクレジットの方が軽くなる場合があります」と書いています。 売る側が自分で書いていることなので、ここは疑わなくて大丈夫です。

もうひとつ、月々の軽さには回数も効いています。 残クレの契約期間は3年・4年・5年から選べる会社が多く、長いほど1回あたりは下がります。 ただし期間を延ばすと、残価の設定は低くなるのが普通です。 5年後の車は3年後の車より値打ちが下がっているので、当然といえば当然なのですが、「長くすれば月々も軽く、最後も軽い」とはなりません。どちらかを軽くすれば、もう一方が重くなります。見積書を何パターンか出してもらうと、この関係が見えます。

どの会社も、残価の金額と実質年率は「車種や販売店によって異なります」としています。 相場の数字は存在しないので、自分の見積書にある額で考えてください。

残価は「将来いくらで売れるか」ではない

残価は、契約のときに決める最終回の支払額です。 その金額でその車が売れることを保証するものではありません。ここは混ざりやすいので、分けて覚えてください。

残価将来の売却価格
決まる時期契約のとき売るとき
決める人販売会社・信販会社買取業者・中古車市場
性質契約上の支払額そのときの相場
条件を満たせば返却でこの額の支払いが不要になる条件という概念がない

この2つがずれると、どちらに転んでも影響があります。 相場が残価より高く育っていれば、買い取って売ったほうが手元に残ります。 相場が残価より低ければ、返してしまうほうが得をします。どちらに転ぶかは、契約のときには分かりません。残クレは、この振れ幅を自分で負わない代わりに、その分の費用を払う仕組みだと考えると分かりやすくなります。

ただし、残価が保証される条件は契約ごとに違います。 トヨタは公式サイトで「残価を保証していない販売店も一部ございます」と書いています。 保証されていると思い込まないほうが安全です。

利息は、残した分にもかかる

ここが残クレでいちばん誤解されるところです。 残価は「最後まで払わない」のであって、借りていないわけではありません。 その分のお金は契約期間中ずっと借りたままなので、分割手数料(利息)がかかり続けます。

通常のクレジットなら、毎月の返済で元本が減っていきます。 残クレは残価の部分の元本が最後まで減らないため、同じ年数・同じ利率でも、 利息の総額は通常のクレジットより大きくなりがちです。 月々が軽いことと、払う利息が少ないことは別です。

「月々が安い=総額が安い」ではありません。 残クレを買い取りで終えると、同じ車を通常のクレジットで買った場合より支払合計が大きくなることがあります。 これはトヨタ自身が公式ページに書いていることです。

実際にいくら違うのかは、見積書の金額を入れれば計算できます。 月々の額、最終回の額、実質年率の3つがあれば足ります。

自分の見積書の金額で、現金・銀行ローン・残クレの負担を比べる

向いている場面

仕組みを分かったうえで選べば、残クレが合う場面はあります。

  • 数年で乗り換えるつもりがはっきりしている。売却の手間と、相場が下がったときの影響を自分で負わずに済む
  • 手元の現金を減らしたくない。頭金を抑えて乗り始められる
  • 走る距離が短く、契約の距離条件に余裕がある
  • 車の状態をきれいに保てる見込みがある

とくに1つ目は、残クレの本来の使いどころです。 返すことを前提にした契約なので、返す予定の人にとっては条件と使い方が一致します。 逆に、長く乗るつもりの人が月々の軽さだけで選ぶと、仕組みと使い方がずれます。

マネック(案内役):3年で乗り換える人と、10年乗る人。同じ残クレでも、向き不向きが正反対なんだ。 自分がどっちかを先に決めると、迷いが減るよ。

引っかかりやすいところ

走行距離と車の状態に条件が付く

返すことが前提の契約なので、返ってくる車の価値を保つための条件があります。 走行距離の上限、事故修復歴がないこと、違法改造をしていないこと、内外装の損傷が一定の範囲内であること。 条件を外れた分は、返却のときに精算になります。

条件の公表のしかたは会社ごとに違います。 日産は走行距離も内外装の減点も車種区分つきの表で公表し、 ホンダは100点分の免責(1点=1,000円)という形で公表し、 トヨタは「各店舗にて定める走行距離」として全国共通の数字を公表していません。3社が公表している返却条件にまとめてあります。

途中でやめにくい

残クレは契約期間を前提に残価と支払額が組まれているため、原則として途中で解約できません。 事情があってやめる場合の精算のしかたも契約ごとに違います。乗る年数が決まっていないうちに契約期間を決めると、あとから動かせません。

乗り続けるには、もう一度お金の話になる

契約が終わってもその車に乗り続けたい場合、残価を一括で払うか、 組み直して分割にするかを選びます。組み直す場合は新しい審査があり、 そのときの金利が適用されます。契約時の金利がそのまま延びるわけではありません。

詳しくは残クレの最終回はどうなる?で、3つの選択肢ごとに整理しています。

見積書で確かめる4つ

残クレの見積書を受け取ったら、次の4つを探してください。 どれも必ず書かれていて、この4つがあれば自分で計算できます。

確かめるものなぜ要るか
最終回支払額(残価)契約が終わるときに残る額。乗り続けるならこれを払う
実質年率利息の重さ。銀行ローンと比べるときの共通の物差しになる
支払回数(契約期間)何年後に最終回が来るか。乗る年数とそろえる
走行距離の条件と、超えたときの精算返す前提なら、ここが合わないと精算になる

4つ目は見積書に書かれていないことがあります。その場合は契約書か、販売会社への確認になります。 距離の上限は販売会社ごとに違い、年1万kmを基準にする商品が多く見られますが、共通のルールではありません。自分の契約の数字を確かめてください。

残クレは「安い買い方」でも「損な買い方」でもありません。 返すことを前提にした契約で、返す人には合い、乗り続ける人には合いにくい、という形をしています。 判断に要るのは、月々の額ではなく、最終回まで入れた総額と、自分が何年乗るかです。

銀行ローンとの違いは残クレと銀行ローンの違いで、所有権・金利・途中で売れるかという観点から整理しています。

よくある質問

残クレの「最終回0円」とは、本当に何も払わなくていいという意味ですか?
車を返す場合、または同じ販売店で新しい車に乗り換える場合は、残価保証の条件を満たしていれば最終回の支払いがありません。ただし車は手元に残りません。条件(走行距離・事故修復歴・内外装の損傷など)を外れた分は、返却時に精算になります。
残クレは通常のクレジットより総額が安いのですか?
買い取りで終える場合は、通常のクレジットのほうが支払合計が軽くなることがあります。トヨタ自動車も公式サイトで「最終回のお支払額(残価)を含めたお支払合計額は、一般的なクレジットの方が軽くなる場合があります」と案内しています。残価の部分の元本が最後まで減らないため、利息を多く払うことになるためです。
残価の金額はどこで決まりますか?
契約のときに販売会社・信販会社が設定します。車種・グレード・契約期間・走行距離のコースによって変わり、トヨタ・ホンダ・日産とも「販売店によって異なります」としています。全国共通の相場はないので、見積書の最終回支払額で確かめてください。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては3社が公表している残クレの返却条件や、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。