車の買い方

残クレの最終回はどうなる?

最終回は「払うか返すか」の二択ではありません。3つの選択肢があり、どれを選ぶにしても走行距離と車の状態が前提になります。

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この記事の要点

  • 選べるのは3つ。車を返す、同じ販売店で新しい車に乗り換える、残価を払って買い取る。
  • 返却と乗り換えは条件を満たせば最終回の支払いがありませんが、車は手元に残りません。
  • 走行距離には2本の線があります。免責基準までは精算なし、精算可能上限までは超過分を精算すれば返却できます。
  • 内外装の損傷は査定の金額で判断されます。日産は車種区分つきの金額、ホンダは100点分の免責(1点=1,000円)で公表しています。
  • 残価を組み直す再クレジットには新しい審査があり、金利は申し込んだ時点の金利が適用されます。当てにできる逃げ道ではありません。
  • 返却の数か月前に車両の状態を見てもらうと、自分で直すのと精算するのを比べられます。

最終回に選べる3つ

残価設定型クレジットの契約が終わるとき、選べるのは3つです。 車を返す、同じ販売店で新しい車に乗り換える、残価を払って買い取る。 トヨタ・ホンダ・日産とも、公式サイトで同じ3つを示しています。

返す場合と乗り換える場合は、条件を満たしていれば最終回の支払いがありません。 ただし車は手元に残りません。買い取る場合だけが車を残し、そのぶん残価を払います。 「0円で終われる」のは安いからではなく、返すからです。
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返却と乗り換えは最終回の支払いがありません。そのかわり車は手元に残りません。買い取りだけが車を残し、そのぶん残価を払います。同じ年数で比べるときは、終わったあとに車があるかどうかをそろえる必要があります。

この3つは、契約のときに決めておく必要はありません。 最終回が近づいたときに選べます。ただし、どれを選ぶつもりかで、契約期間と走行距離のコースの選び方が変わります。返すつもりなら距離の条件に余裕を持たせ、買い取るつもりなら残価と実質年率をよく見ることになります。

マネック(案内役):3年後の自分が何を選ぶかは、たぶん今は決まってないよね。 だからこそ「どれを選んでも極端に損しない条件か」を見ておくのがいいと思うんだ。

返す:0円で終われる条件

返却を選んだとき、最終回の支払いは原則として不要です。 ただしこれは残価が保証される条件を満たしている場合に限られます。 条件を外れた分は、返却のときに精算になります。

3社に共通している条件は次の3つです。

  • 事故による修復歴がないこと
  • レース(競技会等)での使用や、違法改造をしていないこと
  • 走行距離が、契約で決めた距離を超えていないこと

これに加えて、内外装の損傷についての基準があります。 公表のしかたは会社ごとに違い、日産は車種区分つきの金額で、ホンダは点数で示しています。 トヨタは「車両の状態や走行距離の程度に応じて算定される精算金」とだけ書いていて、 具体的な基準は販売店に確かめる形です。

トヨタは公式サイトに「残価を保証していない販売店も一部ございます」と書いています。 保証されている前提で話を進めず、契約書で確かめてください。

走行距離には2本の線がある

走行距離の条件は「超えたら返せない」という1本の線だと思われがちですが、 実際には2本あります。日産が表で公表している形がいちばん分かりやすいので、それを例にします。

走行距離には、2本の線がある精算なしで返せる精算すれば返せる返せない免責基準精算可能上限走った距離 →日産は距離も傷も表で公表、ホンダは点数、トヨタは店舗ごと
契約で決めた距離(免責基準)までは、超過の精算がありません。そこを超えても、もう1本の線(精算可能上限)までは、超えた分を精算すれば返却できます。上限そのものを超えると返却できず、買い取ることになります。線の位置は契約ごとに違います。

1本目が免責基準です。ここまでは超過の精算がありません。 2本目が精算可能上限です。免責基準を超えても、この線までなら、 超えた分を精算すれば返却できます。上限そのものを超えると返却できず、買い取ることになります。

日産は月あたり1,000kmと1,500kmの2コースを用意していて、 1,000km/月コースの3年契約なら免責基準が36,000km、精算可能上限が54,000kmです。 5年契約なら60,000kmと90,000kmになります。 電気自動車(アリア・リーフ・サクラ)は4〜6年の別の表が公表されています。

距離の数字は会社と契約で違います。年1万kmを基準に置く商品が多く見られますが、 共通のルールではありません。3社が公表している返却条件に、読み取った表をそのまま載せています。

契約の前に確かめておきたいのは、自分が年に何km走るかです。 通勤で片道20km走る人なら、往復40km×月20日で年およそ9,600km。 これに休日の分が乗るので、1,000km/月コースだとかなり際どくなります。足りないと分かっているなら、最初から上のコースを選ぶほうが安く済みます。

傷とへこみは、金額で決まる

内外装の損傷は、返却のときに査定されます。 「きれいに使っていれば大丈夫」ではなく、査定の金額で線が引かれます。

日産は車種を3つに分けて免責基準を公表しています。 アリア・エルグランド・ムラーノ・フェアレディZは修理費用20万円以内(精算可能上限25万円)、 スカイライン・キャラバンは15万円以内(同20万円)、 リーフ・サクラ・オーラ・ノート・エクストレイル・キックス・セレナ・ルークス・デイズなどは10万円以内(同15万円)です。 免責基準を超えて精算可能上限までは、査定減点×1,000円(別途消費税)を払えば返却できます。

ホンダは点数で示しています。契約満了時の査定に100点分の免責が付帯し、1点が1,000円です。 公表されている減点の例は、ドア下の傷(内装)が10点=1万円、 バックドアのへこみが30点=3万円、リアドアの傷・へこみ(A4サイズ以上)が50点=5万円。 100点までは負担しません。

公表のしかた免責の範囲
日産車種区分つきの金額の表10万円/15万円/20万円(車種による)
ホンダ点数(1点=1,000円)100点分
トヨタ基準は販売店が定める公表なし。契約書で確認
マネック(案内役):立体駐車場の擦り傷とか、子どもが開けたドアの跡とか。 3年も乗れば、まあ何かしらは付くよね。ゼロ前提で計画しないほうがいいよ。

買い取る:残価を払う

その車に乗り続けたい場合は、最終回に残価を払って買い取ります。 現金一括で払うか、組み直して分割にするかを選べます。

ここで確かめておきたいのが、総額で見たときにどうなるかです。 トヨタは公式サイトに、買い上げを選んだ場合は 「最終回のお支払額(残価)を含めたお支払合計額は、一般的なクレジットの方が軽くなる場合があります」と書いています。 残価の部分の元本が最後まで減らないぶん、利息を多く払っているためです。

もうひとつの選択肢として、買い取ってから売る、という形もあります。 中古車の相場が残価より高く育っていれば、買い取って売ったほうが手元に残ります。 ただし、この判断ができるのは最終回が近づいてからです。 契約のときに相場は分かりません。

買い取るかどうかを迷ったときに効くのが、その車にあと何年乗るつもりかです。残価を払って買い取ったあと、 2年で手放すなら、払った残価のうち回収できるのは売却代金の分だけです。 あと5年、10年と乗るなら、残価を払ったあとは支払いのない期間が続きます。 買い取りの判断は、残価の額そのものより、そのあと何年乗るかで決まります。

もうひとつ見ておきたいのが、そのときの手元の現金です。 残価は数十万円から百万円を超えることもあり、一括で払えば預金はその分減ります。 車を残すために生活費の備えを削ることになるなら、返して次を考えるほうが落ち着く場面もあります。 金額の大小だけでなく、払ったあとに手元へいくら残るかを見てください。

買い取りを選ぶ可能性があるなら、契約の段階で残価と実質年率を見ておく価値があります。 残価率が高いほど月々は軽くなりますが、最後に残る額は大きくなります。

買い取った場合と返した場合で、負担がいくら違うか試算する

組み直す:新しい契約になる

残価を一括で払えない場合、分割に組み直せることがあります(再クレジット、再分割)。 ここで注意したいのは、これが元の契約の延長ではないことです。

  • 新しい審査がある。日産は「審査の結果、ご利用いただけない場合もございます」と公表している
  • 金利は、組み直しを申し込んだ時点の金利が適用される。契約時の金利がそのまま延びるわけではない
  • トヨタ・ホンダとも「別途条件がございます」としている

つまり、残価を払えないときの逃げ道として当てにできるものではありません。 審査に通らなければ、一括で払うか、返すかのどちらかになります。 乗り続けたい車なのに返すしかなくなる、ということが起こり得ます。

「最後は組み直せばいい」という前提で契約期間や残価を決めないでください。 組み直しは、そのときの審査と金利に左右されます。

いつまでに決めるか

3つのうちどれを選ぶかは、最終回が近づいたときに決めます。 販売会社から案内が来るのが一般的ですが、決めるための材料は、自分で早めにそろえておけます。

確かめることどこで分かるか
いまの走行距離と、満了時の見込みメーターと、残り期間からの概算
契約の免責基準と精算可能上限契約書。公表している会社は公式サイトでも
内外装の状態返却の数か月前に販売会社で見てもらう
その車の中古車相場複数の買取業者の査定
残価と、買い取った場合の総額見積書の最終回支払額と実質年率

とくに3つ目は早めがおすすめです。 返却の直前に初めて査定を受けて精算額を知ると、直す時間も選び直す余地もありません。 数か月前に見てもらえば、自分で直したほうが安いのか、精算したほうが安いのかを比べられます。

最終回は「払うか返すか」の二択ではなく、3つの選択肢とそれぞれの条件があります。 0円で終われるのは返すからで、乗り続けるなら残価を払うことになります。 どれを選ぶにしても、走行距離と車の状態が判断の前提になります。

残クレの仕組みそのものは残クレとは?に、銀行ローンとの比べ方は残クレと銀行ローンの違いにまとめています。

よくある質問

走行距離を超えたら、車を返せなくなりますか?
会社によります。日産は「免責基準」と「精算可能上限」の2本を公表していて、免責基準を超えても精算可能上限までは、超えた分を精算すれば返却できます。上限そのものを超えると返却できず、買い取ることになります。距離の数字は契約ごとに違うため、契約書で確かめてください。
傷があると、いくら請求されますか?
査定の金額で決まります。日産は車種を3つに分けて修理費用10万円/15万円/20万円を免責基準とし、超えた分は査定減点×1,000円(別途消費税)で精算すれば返却できるとしています。ホンダは100点分の免責を付帯し、1点を1,000円としています。トヨタは基準を販売店が定める形です。
残価を一括で払えない場合はどうなりますか?
分割に組み直せることがありますが、新しい審査があります。日産は「審査の結果、ご利用いただけない場合もございます」と公表しています。金利も、組み直しを申し込んだ時点の金利が適用されます。審査に通らなければ、一括で払うか返すかのどちらかになります。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては3社が公表している残クレの返却条件や、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。