積立・複利

複利とは?単利との違い

違いは利率ではなく、利息を受け取るか残すかの1点です。差が開くのは終わりのほうです。

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この記事の要点

  • 複利は、ついた利息を受け取らずに残し、その利息にも次の利息がつくことです。
  • 単利との違いは利率ではなく、受け取るか残すかの1点だけです。
  • 差が目に見えて開くのは後半です。100万円・年5%なら5年で約3万円、20年で約65万円の差になります。
  • 年率を月率に直す方法は2つあり、12で割る方式だと1年で宣言した年率を超えます。
  • 式は利率がマイナスでも成り立ちます。50%下がったものは、50%上がっても元に戻りません。

複利は「お金が雪だるま式に増える」と説明されることが多い言葉です。 ただ、その言い方だと何が雪で、何が転がっているのかが分かりません。 仕組みそのものは、引き算も掛け算もない、ごく単純な話です。

複利とは、ついた利息を受け取らずに残し、その利息にも次の利息がつくこと。 単利との違いは利率ではなく、受け取るか残すかの1点だけです。 差が目に見えて開くのは終わりのほうで、最初の数年はほとんど変わりません。

複利とは、利息にも利息がつくこと

100万円を年5%で預けたとします。1年目につく利息は5万円です。 ここまでは単利も複利も同じです。

分かれるのは2年目です。 利息の5万円を受け取ってしまえば、2年目も元の100万円に対して5%なので、 また5万円。 受け取らずに残しておけば、2年目は105万円に対して5%になるので、5万2,500円。 増えた2,500円が、1年目の利息についた利息です。

これが複利です。式にすると、残高に毎年(1+利率)を掛けていくだけになります。

n年後の残高 = 元本 ×(1 + 年利率)n

100万円・年5%・20年なら、100万円 × 1.0520 で約265万円。 同じ条件の単利は、5万円を20回足して200万円です。

マネック(案内役):難しい仕組みがあるわけじゃないんだ。 受け取らずに置いておく、それだけ。

単利との違いは、受け取るか残すか

単利と複利は、別の商品の種類ではありません。同じお金の、扱い方の違いです。

100万円を年5%で20年置いたとき、単利は200万円、複利は約265万円になる。差は利息が利息を生むぶん0万70万140万210万280万0年5年10年15年20年単利 200万複利 約265万元本100万円・年5%が毎年続いた場合
利息を受け取らずに残し続けると、次の年はその利息にも利息がつきます。同じ元本・同じ利率でも、残していくかどうかで20年後の差が65万円になります。グラフは年5%が毎年続いた場合の計算値です。

預金の利息を毎回使ってしまえば単利と同じ増え方になりますし、 使わずに同じ口座へ置いたままなら複利になります。 債券の利子も、受け取って生活費に回せば単利、同じものを買い増せば複利に近い形です。

単利複利
利息のつき方いつも元本に対してそのときの残高に対して
利息の扱い受け取る残す
20年後(100万・年5%)200万円約265万円
差がつき始める時期—後半
投資信託や株式には「利率」という決まった数字がありません。 値上がりした分を売らずに持ち続けることが、複利と同じ形になります。 ただし利率が決まっていないので、増える年も減る年もあります。

差が開くのは、終わりのほう

複利の説明でいちばん誤解されやすいのが、増え方の時期です。 「早く始めたほうがいい」と言われるのは、 始めた直後に効くからではありません。むしろ逆です。

さきほどの100万円・年5%で見ると、5年後の差は約3万円しかありません。 10年後で約13万円、15年後で約28万円、20年後でようやく約65万円です。差のほとんどは、最後の5年で開いています。

経過単利複利差
5年後125万円約128万円約3万円
10年後150万円約163万円約13万円
15年後175万円約208万円約33万円
20年後200万円約265万円約65万円

早く始めることが効くのは、後半の年数が増えるからです。 5年しか置けないなら、複利かどうかはほとんど結果を変えません。 言い換えると、複利を理由に早く始めるのであれば、 その先20年なり30年なり置いておけることが前提になります。

マネック(案内役):「複利はすごい」って聞いて始めて、3年で「全然増えない」ってやめちゃう人がいる。 増えないんじゃなくて、まだそこじゃないんだよね。

年率を月率に直すとき、流儀が2つある

毎月積み立てる場合、年率のままでは計算できません。 月ごとの利率に直す必要があります。ここに流儀が2つあって、 出てくる数字が少し変わります。

年率3%を月率に直す2つの方式。12で割ると1年で3.04%になり、宣言した年率と合わない年率 3%12で割る3% ÷ 12 = 0.25%1年回すと3.04%12乗根をとる1.03 ^(1/12) − 11年回すとちょうど3%ToMiの計算機は右の方式
どちらが正しいというより、何を年率と呼んでいるかの違いです。12で割る方式では「年3%」は月利0.25%の名目で、1年を複利で回すと3.04%になります。ToMiの計算機は、1年でちょうど3%になるほうを使っています。

1つは年率を12で割る方式です。年3%なら月0.25%。 計算は簡単ですが、これを12か月ぶん複利で回すと 1.002512 = 約1.0304 となり、1年で3.04%になります。「年3%」と言いながら、1年で3.04%増えることになります。

もう1つは、12乗して年率になるような月率を逆算する方式です。

月利率 =(1 + 年利率)1/12 − 1

年3%ならおよそ0.2466%。これを12か月ぶん回すと、ちょうど3%になります。 ToMiの計算機はこちらを使っています。 入れた年率と、1年後の増え方を一致させるためです。

どちらが正しいというより、何を「年率」と呼んでいるかの違いです。 金融機関の表示では、名目年率(12で割るほう)と実効年率(12乗根のほう)が 場面によって使い分けられています。比べるときは、どちらの定義かを確かめてください。

積立の複利は、元本が増え続ける

ここまでは、最初に置いた100万円がそのままの話でした。 毎月積み立てる場合は、元本そのものが毎月増えていきます。 そのぶん計算の形も変わります。

毎月同じ額を月末に積み立てて、月利率がずっと同じだとすると、 n か月後の残高はこうなります。

残高 = 元の資産 ×(1 + 月利率)n + 毎月の積立額 × {(1 + 月利率)n − 1} ÷ 月利率

前半が、もともと持っていた資産が増えていく分。 後半が、毎月足していくお金が積み上がる分です。 月利率が0のときは割り算ができなくなるので、 そのときは「元の資産 + 毎月の積立額 × か月数」で計算します。

大事なのは、この式で出た金額の中身を分けて見ることです。 毎月3万円を20年なら、自分で出したお金は720万円。 年3%を置いた試算では約981万円になりますが、 その差の約261万円が運用でついた分で、残りは自分が出したお金です。将来の金額だけを見ると、この2つが混ざります。

自分の積立額で、元本と運用損益を分けて計算する

複利は、下がるときにも同じように働く

複利の説明は増える側ばかりが語られますが、 式は利率がマイナスでもそのまま成り立ちます。減った残高に対して、次の年の下落がかかります。

100万円が1年で50%下がると50万円。 翌年に50%上がっても75万円で、元には戻りません。 下げ幅と上げ幅が同じでも戻らないのは、掛け算だからです。 50%下がったものが元に戻るには、100%上がる必要があります。

「複利の力で増える」という説明と、「下がった年の影響も残り続ける」という事実は、 同じ式の表と裏です。片方だけを前提に積立額を決めると、 下がった局面で続けられなくなります。

実際の運用では、利率は毎年違います。 一定の年率を置いた計算は、全体の見当をつけるためのもので、 その通りに進むことを示すものではありません。 平均すると年3%だったとしても、 途中には3割下がった年が混ざっていることがあります。

複利の話で読み違えやすいところ

年率は、約束された数字ではない

預金の利率は契約で決まっていますが、投資信託や株式に決まった利率はありません。 「年率5%で計算すると」という前提は、その数字で計算したらこうなるという意味であって、 5%が得られるという意味ではありません。

税金と手数料は、複利の式に入っていない

課税口座なら、売って利益を確定したときに約20%の税金がかかります。 投資信託なら、保有している間ずっと信託報酬が差し引かれています。 式に出てくるのは利率だけなので、これらは別に考える必要があります。 手数料は毎年かかるので、こちらも複利で効きます。

物価が上がると、同じ金額の意味が変わる

20年後の981万円は、いまの981万円と同じ買い物ができるわけではありません。 物価が年2%上がり続けた場合、20年後の981万円は いまのお金でいうと約660万円ぶんの価値になります。自分で出した720万円を下回ります。複利で増えた分が、物価の上昇に追いついていない形です。

これは「だから投資しても無駄」という話ではなく、現金のまま置いた場合はもっと減るという比較の話です。 同じ20年で、現金720万円は年2%の物価上昇のもとでは いまの約485万円ぶんの価値になります。

マネック(案内役):名目の金額と、買えるものの量。この2つは別で見ないといけないんだ。

自分の金額で計算してみる

複利の式は単純ですが、毎月の積立が入ると手では計算しづらくなります。 自分の積立額と年数を入れれば、 出したお金と運用でついた分を分けた形で出せます。

置いた年率を-2%から7%まで動かすと、同じ積立でも結果が大きく変わります。どれが起こりやすいかではなく、置き方でどれだけ変わるかを見てください。 幅の広さそのものが、この計算の性質を表しています。

毎月の積立額を入れて、20年後・30年後を試算する

よくある質問

複利と単利では、どのくらい差がつきますか?
元本100万円・年5%なら、20年後に単利200万円、複利が約265万円です。ただし5年後の差は約3万円しかありません。差のほとんどは後半で開くので、短い期間では複利かどうかがほとんど結果を変えません。
年率3%は、月利0.25%と同じですか?
同じではありません。0.25%を12か月ぶん複利で回すと1年で3.04%になります。1年でちょうど3%になる月利は約0.2466%で、(1+年利率)の12乗根から1を引いて求めます。ToMiの計算機は後者を使っています。
投資信託にも複利はありますか?
決まった利率はありませんが、値上がりした分を売らずに持ち続けることが複利と同じ形になります。ただし利率が決まっていないので、増える年も減る年もあります。下がった年の影響も、同じように残り続けます。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては金融庁の資産形成の基本のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。