国税庁・総務省
家を売った利益に、どの税率がかかる?
家を売って出た利益にかかる税金は、所有期間で税率が変わります。 区分は3つで、いちばん高い率といちばん低い率では 所得税・住民税を合わせて39%と14%の開きがあります。 このページには、その3区分の率と、区分を決める所有期間の数え方を、出典と確認日を付けて置いています。
区分ごとの税率
下の率は復興特別所得税を含まない素の率です。 実際に納めるときは、ここで出た所得税額に復興特別所得税が上乗せされます。
| 区分 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 30% | 9% | 39% |
| 長期譲渡所得 | 15% | 5% | 20% |
| 軽減税率の特例(10年超所有のマイホーム) | 10% | 4% | 14% |
軽減税率が効くのは、課税長期譲渡所得のうち6,000万円までの部分だけです。 超えた部分は通常の長期(合計20%)に戻ります。 なお住民税の4%は国税庁の案内には出てこないので、ToMiは地方税法の条文(附則第34条の3)から引いています。 道府県民税1.6%と市町村民税2.4%の合計で、政令指定都市では0.8%と3.2%に分かれますが、合計は同じ4%です。
所有期間の数え方
売った日ではなく、売った年の1月1日で数えます。ここが、この制度でいちばん間違えやすいところです。
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 短期譲渡所得 | 売った年の1月1日時点で、所有期間が5年以下 |
| 長期譲渡所得 | 売った年の1月1日時点で、所有期間が5年を超える |
| 軽減税率の特例(10年超所有のマイホーム) | 売った年の1月1日時点で、家屋と敷地のどちらも所有期間が10年を超える |
たとえば2020年3月に買った家を2025年4月に売ると、実際には5年1か月持っていますが、 2025年1月1日の時点では4年10か月なので短期です。 合計39%と20%では、利益1,000万円で190万円の差になります。 年内に売るか年明けまで待つかで税額が変わるのは、この数え方のためです。
復興特別所得税
上の所得税額に対して2.1%が 上乗せされます。譲渡所得に直接かけるのではなく、基準所得税額(譲渡所得にかかる所得税額)にかけます。 長期の15%なら、所得税は実質15.315%です。
| かける率 | かける相手 | いつまで |
|---|---|---|
| 2.1% | 基準所得税額(譲渡所得にかかる所得税額) | 令和29年分 |
課税期間は、以前は令和19年分までとされていました。 2026年9月29日に国税庁の案内(令和8年4月1日現在法令等)を読み直した時点で令和29年分までに延びています。
税率をかける相手(譲渡所得)
税率は売却価格にかけるのではありません。かけるのは譲渡所得です。
住宅ローンの残高は、ここから引きません。「5,000万円で売れたがローンが3,000万円残っていたから利益は2,000万円」は誤りです。 利益は買ったときの値段(取得費)から計算します。ローンは手元に残る現金を減らしますが、 税金の計算には関係しません。逆に取得費は買ったときに払い終えているので、手残りからは引きません。
取得費が分からないとき
買ったときの契約書が見つからない場合、譲渡価額の5%を 取得費とすることができます。
| 使える割合 | 使える場面 |
|---|---|
| 譲渡価額の5% | 取得費が分からないとき、または実際の取得費が譲渡価額の5%を下回るときに使えます。3,000万円で売って取得費が不明なら、150万円を取得費とできます。 |
これは不利になることが多い決まりです。4,000万円で買った家を5,000万円で売ったとき、契約書があれば譲渡所得は1,000万円ほどですが、 見つからなければ取得費は250万円とされ、譲渡所得は4,750万円になります。 税額の差は数百万円です。売る前に契約書を探すことに、それだけの価値があります。
この数字は、自動では書き換えません。
率そのものは毎年は動きませんが、動くときは税制改正で施行日から切り替わります。軽減税率の住民税4%は国税庁の案内に出てこないため、条文を読まないと確かめられません。自動で取得できる形では公表されていないので、一次情報を読んで書き換えます。
譲渡所得税の区分ごとの税率、所有期間の数え方、復興特別所得税の課税期間、概算取得費の割合は月1回の見張りで公表ページと突き合わせていますが、 差が見つかっても値は自動で入れ替えません。改正の「年分」と「施行日」はずれる年があり、 公表ページの数字をそのまま入れると、年の途中で誤った額を出すことになるためです。 一次資料を読んで確かめてから、期間を足す形で反映します。
- 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算(2026年9月29日取得 / 2026年9月29日確認)
- 国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算(2026年9月29日取得 / 2026年9月29日確認)
- 国税庁 No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例(2026年9月29日取得 / 2026年9月29日確認)
- e-Gov 地方税法 附則第34条の3(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る課税の特例)(2026年9月29日取得 / 2026年9月29日確認)
- 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき(2026年9月29日取得 / 2026年9月29日確認)
このページは税率だけを扱っています。3,000万円特別控除などの特例はマイホーム売却の特例に、仲介手数料の上限は仲介手数料の上限に、契約書の印紙税は不動産売買契約書の印紙税にまとめています。
自分の家で、売ったあといくら残るかを出す
売却予定の価格、買ったときの値段、住宅ローンの残高、住んでいるかどうかを入れると、ローンの完済額・売却の諸費用・譲渡所得税を引いた手残りが出ます。3,000万円特別控除を使った場合との差や、ローンを完済できる最低売却価格も逆算します。
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