指数・インデックス

ナスダック100とは?

この10年で大きく伸びた指数として名前を見ますが、米国市場の全体を見ている指数ではありません。

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この記事の要点

  • ナスダック100は、ナスダックに上場している非金融の会社のうち規模の大きい100社で構成されます。
  • 米国市場の全体ではありません。ニューヨーク証券取引所に上場する会社は、どれだけ大きくても入りません。
  • 銀行や保険などの金融は、規模が大きくても対象外です。S&P500との中身の違いはここにも出ます。
  • 重みは会社の大きさで決まるため、上位の数社で指数のかなりの部分を占めます。
  • 銘柄の入れ替えは年1回、比率の調整は四半期ごとに行われます。
  • 米ドル建てなので、円で見た結果には指数の値動きと為替の両方が掛かります。
  • 金利が上がる局面ではS&P500より深く下げやすく、過去に1年で3割を超えて下げた年があります。

結論から

ナスダック100は、ナスダック市場に上場する金融を除く大企業100社を集めた指数です。 米国株の指数ではありますが、市場も業種も絞られています。 S&P500より対象が狭く、情報技術の比重が高いぶん、上げる年も下げる年も振れ幅が大きくなります。

この10年で大きく伸びた指数として名前を見ることが増えました。 ただ「米国株の代表」として扱うと、中身を取り違えます。 ナスダック100が見ているのは米国市場の全体ではありません。

この記事では、何を集めた100社なのか、どこに寄っているのか、 そして円で持つ人に何が効いてくるのかを順に見ていきます。

何を集めた100社なのか

ナスダック100(NASDAQ-100)は、ナスダックに上場している非金融の会社のうち、規模の大きい100社で構成されます。 銘柄の入れ替えは年1回、比率の調整は四半期ごとに行われます。

ここには2つの絞り込みが入っています。ひとつは「ナスダックに上場していること」。 米国にはニューヨーク証券取引所(NYSE)もあり、そこに上場している大企業は どれだけ大きくても入りません。

もうひとつは「金融を除く」という条件です。 銀行・保険・資産運用といった業種は、規模が大きくても対象外になります。 S&P500では金融が一定の比重を占めるので、ここは中身の違いとして効いてきます。

ナスダック100S&P500
社数100社500社
上場市場ナスダックのみ市場を限定しない
金融含まない含む
銘柄の入れ替え年1回随時
業種の広がり情報技術に寄るより広い
マネック(案内役):「ハイテク指数」って呼ばれることが多いけど、決まりの上ではハイテクを選んでいるわけじゃないんだ。 「ナスダックに上場していて、金融じゃない、大きい100社」を選んだ結果、そうなっているだけ。

上位数社に寄っている

100社と聞くと分散されている気がしますが、重みは会社の大きさで決まるので、実際の中身は上位に大きく寄ります。 上位の数社だけで指数のかなりの部分を占める状態が、長く続いています。

これは欠点というより、指数の作りからくる性質です。 時価総額で重みを付ける指数は、大きい会社が伸びるほどその会社の比重がさらに上がります。 伸びている局面では、それが指数の伸びをそのまま押し上げます。

逆向きも同じです。上位数社が売られる局面では、 残りの90社あまりが持ちこたえても、指数全体は下げます。100社に投資しているつもりでも、結果を決めているのは上のほうの数社という時期があります。

「100社に分散しているから1社の破綻は怖くない」という言い方は成り立ちます。 ですが「業種が分散されている」「米国市場全体に投資している」は成り立ちません。 分散という言葉を、何に対する分散なのか分けて考えてください。

偏りが行きすぎたときのために、指数の決まりには調整の仕組みが用意されています。 通常の比率調整は四半期ごとですが、 上位の比重が一定の水準を超えた場合には、臨時で比率を組み替えることがあります。放っておくと数社の指数になってしまうので、決まりの側で歯止めをかけているという形です。

ただし、歯止めがあるからといって偏りが消えるわけではありません。 比重を下げても、その会社が伸び続ければまた上がります。 上位に集まりやすいのは指数の性質であって、例外的な状態ではありません。

比重の偏りは時期によって変わります。 いま上位が何社でどれくらいを占めるのかは、連動するETFの運用会社が毎日公表しています。 気になったときはそこを見るのがいちばん確実です。

S&P500と何が違うのか

どちらも米国の株式に投資する指数なので、値動きは似た方向に動くことが多くなります。 上位に同じ会社が並ぶことも珍しくありません。 それでも、違いが出るのは下げる局面と、業種が入れ替わる局面です。

情報技術の比重が高い指数は、金利が上がる局面で売られやすくなります。 将来の利益を当て込んで買われている会社ほど、金利が上がるとその将来の価値が割り引かれるためです。 2022年のように金利が大きく動いた年は、ナスダック100のほうが深く下げました。

反対に、その業種に資金が集まる局面では、S&P500より速く伸びます。どちらが優れているかではなく、振れ幅の大きさが違うと考えてください。

  • 伸びる局面では、S&P500より大きく伸びることがある
  • 下げる局面では、S&P500より深く下げることがある
  • 業種の偏りがあるぶん、どちらか一方だけで「米国株を持った」とは言いにくい
  • 両方を持つと、上位の会社が重なって思ったより分散されないことがある

もうひとつ、社数そのものの違いも効いてきます。 500社なら1社が指数に占める割合は平均して小さくなりますが、100社ではそうなりません。1社の不調が指数に出やすいぶん、 個別の会社のニュースが自分の資産に直結しやすくなります。

買い方は、連動する投資信託かETFを通すのが一般的です。 日本の証券会社で買える投資信託にも、米国上場のETFにも、ナスダック100に連動する商品があります。 為替の影響を抑える「為替ヘッジあり」の商品もありますが、 ヘッジには費用がかかり、内外の金利差が大きいほどその費用も大きくなります。 円高で減るのを避けたいのか、費用を抑えたいのか、どちらを優先するかで選び方が変わります。

S&P500の中身についてはS&P500とは?で扱っています。両方を持つべきか迷っているなら、 先にそれぞれの中身を見てから考えるほうが早道です。

円で見ると、為替が乗る

ナスダック100は米ドル建てで取引される会社の集まりです。 日本に住んでいて円で生活している人にとっては、指数の値動きと、ドル円の動きの両方が結果に掛かります。

外貨建ての資産を円で見るときは、指数の動きと為替の動きが掛け算になる指数が上がる現地通貨で+×円安になる円の額が増える=円で見た資産両方が乗る円高のときは、指数が上がっても円では減ることがある
どちらも上向きなら、円で見た増え方は指数の増え方より大きくなります。逆に円高が進めば、指数が上がっていても円では減ることがあります。指数のリターンと、日本に住む人が受け取るリターンは別のものです。

円安が進んだ期間は、指数の伸びに為替の分が上乗せされます。 この10年の円で見た実績が大きく見えるのは、その両方が同じ向きに動いた期間を含むからです。

逆に、円高が進む期間は、指数が上がっていても円で見た資産が減ることがあります。「指数が上がったのに、円の評価額が増えていない」という状態は、普通に起こります。

マネック(案内役):増えた理由を分けて見るのが大事だよ。 「ナスダックが強かったから」なのか「円が安かったから」なのかで、これからの見通しの立て方が変わるから。

ToMiの試算では、指数そのものの動きと円換算した結果を並べて出しています。自分の金額で、どちらがどれだけ効いたかを確かめると、為替の分を切り分けて見られます。

下げるときは、深く下げる

過去の年率だけを見ると、その期間ずっと真っすぐ増えたように読めます。 実際には、途中で深く沈んだ時期があります。 投資を続けられるかどうかを決めるのは、年率ではなくこの谷の深さと長さです。

深く下げた資産が、もとの値に戻るまでの道のり下げる前の値いちばん深いところ下げ幅ここでやっと元通り半分なら2倍、8割下げたなら5倍にならないと戻らない
半分になったものが元に戻るには、そこから2倍にならなければなりません。8割下げたなら5倍です。下げ幅が深いほど、戻るのに必要な上げ幅も、かかる時間も伸びます。持ち続けられるかどうかは、この谷の深さと長さで決まります。

半分になったものが元に戻るには、そこから2倍にならなければなりません。 下げ幅が深いほど、戻るのに必要な上げ幅も、かかる時間も伸びます。 ナスダック100は過去に、1年で3割を超えて下げた年があります。

ここで効いてくるのは金額の大きさです。 100万円が3割下がると30万円ですが、1,000万円なら300万円です。 率は同じでも、耐えられるかどうかは金額で決まります。

年ごとに何%動いたかはナスダック100の年間騰落率に並べています。下げた年も、並べ替えずにそのまま出しています。

毎月決まった額を積み立てていく持ち方なら、下げた時期は安く買える時期にもなります。 ただしそれは、積立を止めずに続けられた場合に限られます。 下げが続く局面で積立を止めてしまうと、安く買えるはずだった期間を丸ごと逃します。 金額を決めるときは、下げている最中でも続けられる額かどうかで考えてください。

長く持ち続ける前提なら、途中の下げは通り過ぎるものだと考えることもできます。 ただしそれは、その下げのあいだ売らずに済む金額に収めていた場合の話です。 生活費や数年以内に使う予定のお金を入れていると、いちばん下げた時期に売る側に回ります。

よくある質問

ナスダック100は「ハイテク指数」ですか?
決まりの上ではハイテクを選んでいるわけではありません。「ナスダックに上場している」「金融ではない」「規模が大きい」という条件で100社を選んだ結果、情報技術の比重が高くなっています。条件が先で、業種は結果です。
S&P500と両方を持てば、分散されますか?
思ったほど分散されないことがあります。どちらも会社の大きさで重みが決まるため、上位に同じ会社が並びます。両方を持つと、その会社の比重が重なって上がります。中身の重なりを一度確かめてから決めてください。
なぜ金利が上がると下げやすいのですか?
将来の利益を当て込んで買われている会社ほど、金利が上がるとその将来の価値が割り引かれるためです。情報技術の会社はその性質を持つものが多く、指数全体もその影響を受けます。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては金融庁のNISA・つみたて投資枠のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。