指数・インデックス

日経平均に投資する方法|ETF・投資信託の違い

同じ指数を追いかける商品でも、買い方と費用の形が違います。目的から決めると迷いません。

読了めやす8更新10回読まれています

この記事の要点

  • 日経平均そのものは買えません。買えるのは、連動するETFか投資信託です。
  • 中身はどちらも同じで、違うのは売買のしかたと費用のかかり方です。
  • ETFは取引時間中の値段で売買でき、費用も低めですが、金額を指定して買いにくいことがあります。
  • 投資信託は金額を指定して自動で積み立てられ、分配金を再投資する商品を選べます。
  • 分配金を受け取るたびに税金が引かれるため、長く持つなら再投資型のほうが複利が効きます。
  • 信託報酬の差はかつてほど大きくありません。差が小さいなら、続けやすさで選ぶほうが結果につながります。

結論から

日経平均そのものは買えません。買えるのは、それに連動するETFか投資信託です。 毎月の積立で自動的に続けたいなら投資信託、 その場の値段で売買したいならETFが向いています。

「日経平均に投資する」と言うとき、実際に買うのは商品です。 そしてその商品には、大きく分けて2つの形があります。 どちらを選んでも同じ指数を追いかけますが、 買い方と手数料の形が違います。

この記事では、その2つの違いと、 自分に合うほうを選ぶための見方を整理します。

買い方は2つある

まず、指数と商品の関係を確かめておきます。 ここがあいまいなままだと、商品を選ぶ話が始まりません。

指数は「何をどれだけ持つか」の決まりごと。商品はそれを実際に買い集めたもの指数どの銘柄をどれだけ持つかの決まりごと投資信託・ETF決まりごとのとおりに実際に買い集めたもの信託報酬がかかる買えるのは右側だけ
指数そのものは買えません。買えるのは、その決まりごとのとおりに株を買い集めた投資信託やETFです。同じ指数に連動する商品が複数あるのは、決まりごとが1つでも、それを実行する会社が複数あるためです。

日経平均という数字は、日本経済新聞社が計算して公表しているものです。 その数字自体を売り買いすることはできません。

指数は「どの銘柄をどれだけ持つか」の決まりごとで、実物ではありません。 その決まりごとのとおりに株を買い集めた商品が売られていて、 私たちが買うのはそちらです。

日経平均に連動する商品には、次の2つの形があります。

名前は似ていますが、扱いはかなり違います。 どちらが優れているという話ではなく、向いている使い方が違うだけです。

  • ETF — 証券取引所に上場していて、株と同じように売買する
  • 投資信託(インデックスファンド)— 証券会社や銀行を通じて、1日1回の価格で売買する

中身はどちらも同じで、日経225の銘柄を決まりごとのとおりに持っています。 違うのは売買のしかたと、費用のかかり方です。

ETFの性質

まずETFのほうから見ます。名前は Exchange Traded Fund の略で、 取引所で売買できる投資信託、という意味です。 中身は投資信託ですが、売買のしかたが株に近くなっています。

ETFは取引所に上場しているので、株と同じように売買します。 取引時間中はずっと値段が動いていて、 そのときの値段で買ったり売ったりできます。

売買のしかたは、株とまったく同じです。 いくらで買うかを指定する注文も出せますし、その場の値段ですぐ買うこともできます。 自分が納得した値段で売買したい人には、この自由度が向いています。

利点は、費用が低めであることと、値段が見えることです。 いくらで買えたのかが、その場ではっきりします。

一方で、扱いにはくせがあります。 売買のたびに証券会社の手数料がかかり、1株あたりの値段が決まっているため、金額を指定して買いにくいことがあります。 「毎月3万円ずつ」という買い方が、そのままではできない場合があります。

もうひとつ、分配金の扱いも違います。 ETFは分配金が現金で口座に入るのが一般的で、 再投資したければ自分で買い直す必要があります。 手間がかかるうえ、受け取るたびに税金が引かれます。

売買のたびの手数料は、いまは無料の証券会社も増えています。 使っている口座の条件を一度確かめておくとよいところです。

マネック案内役):分配金が出るのは嬉しく感じるけれど、 そのたびに税金が引かれて、再投資する分が減っているんだ。 長く持つなら、出ないほうが有利になることもあるよ。

投資信託の性質

次に、一般的な投資信託です。 証券会社や銀行の口座から買う形で、こちらのほうが目にする機会は多いかもしれません。

投資信託は取引所に上場していません。 注文を出すと、その日の基準価額で売買されます。 値段はあとから決まるので、いくらで買えたかは注文の時点では分かりません。

値段が1日1回しか決まらないのは、不便に見えるかもしれません。 けれど長く持つつもりなら、その日のうちの値動きを追う必要はありません。 むしろ、値段を見ないで済むことが利点になる場面もあります。

利点は、金額を指定して買えることと、 分配金を自動で再投資できる商品が多いことです。 「毎月3万円」と決めておけば、口座から自動で買い付けられます。

分配金を出さずに中で再投資する仕組みの商品なら、 受け取るたびの税金が発生しません。 その分だけ、複利の効きが良くなります。

一括は1つの値段で買い、積立は時期ごとに違う値段で買う一括積立(毎月)時間 →
一括はその日の値段がそのまま取得価格になります。積立は買った時期ごとに値段が違うため、取得価格はそれらの平均に近づきます。値上がりが続く相場では一括のほうが有利になり、下げてから戻る相場では積立のほうが有利になります。

積立で続けたい人にとって、この自動化はかなり大きな差になります。 毎月の判断が要らないぶん、続けやすくなるからです。 相場が下がった月に手が止まる、ということが起きにくくなります。

手数料の面でも、投資信託は買うときの費用が無料の商品が多くなっています。 少額を何度も買う積立では、この差が効いてきます。 1回あたりの手数料が小さくても、毎月かかれば年に12回分になります。

NISAのつみたて投資枠で買えるのは、多くの場合こちらの形です。 制度を使いたい場合は、その枠で買える商品かどうかも確かめてください。

どちらを選ぶか

性質が分かったところで、選び方を整理します。 目的によって答えが変わるので、まず自分の目的をはっきりさせるところからです。

違いを一覧にすると、次のようになります。 どれか1つで決めるのではなく、自分が重く見る行にどちらが向いているかで判断してください。

ETF投資信託
売買のしかた取引時間中の値段1日1回の基準価額
金額指定での購入しにくいしやすい
自動積立対応が限られるしやすい
分配金現金で受け取る再投資型を選べる
信託報酬低めのことが多い低いものも多い
売買手数料都度かかる無料のものが多い

迷ったときは、自分がどれくらいの頻度で口座を開くかを考えてみてください。 月に一度も見ないつもりなら、自動で買い付けられる形のほうが確実です。 値段を見て判断したいなら、その自由があるほうが向いています。

毎月の積立で長く続けたいなら、投資信託のほうが向いています。 自動化できることと、分配金を出さずに再投資できることが理由です。

どちらを選んでも、追いかけている指数は同じです。 10年後の結果に大きな差が出るような選択ではありません。

まとまった金額を、自分の見ている値段で買いたいならETFです。 売買の自由度が高く、費用も低めに抑えられます。

なお、信託報酬の差はかつてほど大きくありません。 投資信託の側にも低い費用の商品が増えたので、費用だけで決められるほどの差が無いこともあります。そのときは、続けやすさで選ぶほうが結果につながります。

買う前に確かめること

形が決まったら、次は具体的な商品を選ぶ段階です。 ここでも、同じ指数に連動する商品どうしで条件が違います。

見るべきは3つです。どれも商品の画面や目論見書に書かれています。

  • 信託報酬。同じ指数でも商品によって差がある
  • 純資産総額。小さすぎると、途中で運用が終わることがある
  • 分配金の扱い。再投資されるのか、受け取るのか

1つ目の信託報酬は、同じ指数に連動する商品どうしでも差があります。 長く持つほど効いてくるので、最初に見比べておく価値があります。

2つ目は見落とされやすい点です。 純資産総額が小さいまま増えない商品は、繰上償還といって、 運用そのものが打ち切られることがあります。 そうなると、そのタイミングで現金化されてしまいます。

費用がどれくらい効くかは、金額で見ると分かります。自分の保有額で信託報酬の差を試算すると、年0.X%の差が何年でいくらになるかが円で出ます。

3つ目の分配金は、税金に効いてきます。 受け取るたびに税金が引かれ、そのぶん再投資に回る額が減ります。 長く持つほど、この差は積み重なります。

商品を選ぶ前に、そもそも日経平均という指数の性質を確かめてください。 225社しかなく、株価の高い数銘柄の影響が大きく、日本1国に集中しています。 商品の良し悪しより、その指数を選ぶかどうかのほうが結果に効きます。

商品を選び終わったら、あとは決めた方法を続けるだけです。 途中で商品を乗り換えると、そのたびに売却の税金がかかることがあります。 最初に決めておくほうが、結果としては手間も費用も少なくなります。

過去にどう動いたかは、自分の金額で確かめられます。日経平均に投資していたら今いくらかを試算すると、その期間にいちばん沈んだところも合わせて出ます。

買えるのは指数ではなく商品です。積立で続けるなら投資信託、値段を見て売買するならETF。 費用の差が小さいなら、続けやすさで選ぶほうが結果につながります。

よくある質問

ETFと投資信託、どちらが安いですか?
信託報酬はETFのほうが低めのことが多いですが、投資信託にも低い商品が増えており、差はかつてほど大きくありません。またETFは売買のたびに手数料がかかる一方、投資信託は購入時手数料が無料のものが多いため、買い方によっては逆転します。
積立をするならどちらですか?
投資信託のほうが向いています。金額を指定して自動で買い付けられることと、分配金を出さずに中で再投資する商品を選べることが理由です。毎月の判断が要らないぶん、相場が下がった月にも続けやすくなります。
商品を選ぶときに見るべき点は?
信託報酬、純資産総額、分配金の扱いの3つです。純資産総額が小さいまま増えない商品は、繰上償還といって運用そのものが打ち切られ、そのタイミングで現金化されることがあります。率が最安でも、規模が小さすぎる商品には注意してください。

参照した一次情報

あわせて読みたい

この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては金融庁のNISA・つみたて投資枠のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。