住宅ローン

住宅ローン借り換えの諸費用はいくら?

借り換えの諸費用でいちばん大きいのは事務手数料です。借入額の2.2%という定率型が多く、残高3,000万円なら66万円になります。

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この記事の要点

  • 諸費用の大半は事務手数料です。定率型なら借入額に比例します。
  • 抵当権設定の登録免許税は、軽減税率が新築・取得向けのため、借り換えでは使えません。
  • いまのローンを終わらせる費用(繰上げ返済手数料・抵当権抹消)も諸費用です。
  • 費用を借入に組み込むと手出しは要りませんが、その分にも完済まで利息がかかります。
  • 諸費用を取り戻せる時期より前に売却や完済をすると、その分だけ損になります。

諸費用には何が含まれるか

借り換えは、新しい金融機関で借り直して、いまのローンを一括返済する手続きです。 新しい借入と、いまの借入の終了が同時に起きるので、費用も両方の側で発生します。 「金利が下がるのだから得だ」という話に飛ぶ前に、何にいくらかかるのかを並べておきます。

諸費用は、金融機関から出てくる資金計画書で全部が並びます。 ここで確かめたいのは、合計額そのものより「何が入っていて、何が入っていないか」です。 いまのローンを終わらせる費用が入っていないことがあり、 そこは自分で足さないと見積もりが足りなくなります。

諸費用の大半は事務手数料。定率型なら借入額に比例する事務手数料借入額の2.2%が多い登録免許税抵当権の設定司法書士報酬登記の手続き抵当権抹消いまのローン側印紙税契約書に貼るいまのローン側に、繰上げ返済手数料がかかる契約もある
借入額の2.2%という定率型が多く、3,000万円なら事務手数料だけで66万円になります。残りの登記費用・印紙税は合わせて10〜20万円ほどです。定額型を選べる金融機関もありますが、その場合は金利が上乗せされることがあります。

金額でいちばん大きいのは事務手数料です。借入額の2.2%(2%+消費税)という定率型が多く、 残高3,000万円ならこれだけで66万円になります。 残りの項目を全部足しても事務手数料には届かないことがほとんどなので、 諸費用の見積もりは、まず事務手数料の型を確かめるところから始まります。

次に大きいのが抵当権の設定にかかる登録免許税です。 ここで一つ、見落とされやすいことがあります。 住宅ローンの抵当権設定には軽減税率がありますが、これは住宅用家屋の新築または取得をするための資金の貸付けが対象で、 取得後1年以内の登記であることなどの要件があります。 借り換えのための借入はこれに当てはまらないため、軽減税率は使えません。

そのほかに、登記を代理してもらう司法書士への報酬、契約書に貼る印紙税がかかります。 金額は借入額と依頼先で変わるので、金融機関から出てくる見積もりで確かめてください。 広告に「諸費用○万円」と書いてあっても、そこに全部が含まれているとは限りません。

見積もりは1行だけ取って終わりにしないでください。 同じ残高でも、事務手数料の型が違えば総額が数十万円変わります。 2〜3行から取って並べると、どこに差があるのかがはっきりします。 事前審査は費用がかからないので、比べるための手間だけで済みます。

保証料が別に必要な商品もあります。事務手数料が安いかわりに保証料が乗る、 という組み合わせもあるので、片方だけを見て比べないでください。

事務手数料には2つの型がある

事務手数料には、借入額に比例する定率型と、金額が決まっている定額型があります。 定率型は2.2%という金融機関が多く、定額型は数万円という水準です。 金額だけを見れば定額型が圧倒的に安く見えますが、そう単純ではありません。

定額型を選ぶと、そのかわりに金利が上乗せされる商品が多いからです。 上乗せ幅は年0.1〜0.3%といった水準で、完済まで効きます。 残りの期間が長いほど、この上乗せの合計は大きくなります。 つまり「最初に払うか、毎月に薄く乗せるか」という違いであって、 どちらが安いかは残りの期間で入れ替わります。

残りの期間が短ければ定額型のほうが有利になりやすく、 長ければ定率型を選んで最初に払い切るほうが有利になりやすい、というのが大まかな向きです。 ただし境目は金利差と残高で動くので、両方の条件で総支払額を出して比べるのが確実です。

目安として、残高3,000万円・残り25年・年1.2%を年0.7%へ下げる場合、 減る利息はおよそ203万円です。定率型の事務手数料66万円に登記費用や印紙税を足せば、 諸費用は80万円前後になります。差し引きで残るのは120万円ほどで、 金利差の見た目ほど大きくはありませんが、それでも十分な金額です。

マネック案内役):「手数料が安い」だけで選ぶと、金利の上乗せを見落とすことがあるよ。手数料と金利はセットで比べてね。

金利の低さで選んだ金融機関が、諸費用まで含めると割高になることはよくあります。 金利0.1%の差は、残高3,000万円・25年でおよそ40万円です。 事務手数料の型が違えば、その差はもっと簡単に生まれます。 金利と諸費用は、どちらか一方だけを見ても順位が決まりません。 総支払額という同じ物差しに載せてから比べてください。

いまのローン側にもかかる

借り換えでは、いまのローンを全額返して終わらせます。 このとき、いまの契約に繰上げ返済手数料が定められていれば、それがかかります。 全額繰上げ返済の手数料は、一部繰上げ返済より高く設定されている契約が多く、 数万円になることがあります。

もう一つ、いまのローンの抵当権を抹消する登記が必要です。 こちらにも登録免許税と司法書士報酬がかかります。金額は設定のときより小さいものの、 「新しい借入の費用」だけを数えていると、そのぶん見積もりが足りなくなります。

いまの契約書を探すのが面倒なら、借りている金融機関に電話で聞くのが早いです。 全額繰上げ返済にかかる手数料と、抹消の手続きに必要なものを教えてもらえます。 借り換えを検討していると伝えると、金利の引き下げを提案されることもあります。 それで下がるなら、諸費用をかけずに済みます。

もう一つ、借り換えの手続きには時間もかかります。 書類を集め、審査を待ち、司法書士との日程を合わせて実行日を決めます。 平日に動く必要が出ることもあります。金額に表れない負担ですが、 50万円のために何日使うかは、判断材料に入れてよいと思います。

いまのローンを終わらせる費用も、借り換えの諸費用です。 新しい借入の側だけで見積もると足りません。

諸費用のうち、事務手数料と登録免許税は金融機関や法律で決まっています。 自分で動かせる余地があるのは、どの商品を選ぶかという1点だけです。 定率型か定額型か、保証料を取る商品かどうか。 ここで数十万円の差がつくので、金利より先に確かめる価値があります。

費用を借入に組み込むと何が変わるか

諸費用は、手元から払うほかに、新しい借入額に上乗せして借りることもできます。 「手出しゼロ」と案内されるのがこれです。実際に手元のお金は減りませんが、上乗せした分にも完済まで利息がかかります

70万円を上乗せして年0.7%で25年払うなら、その70万円に対する利息だけで6万円ほどになります。 手元に現金を残すことに価値があるなら、その6万円は手数料のようなものです。 預金が十分にあって、しかも使う予定がないなら、手元から払うほうが総額は小さくなります。

注意したいのは、住宅ローン控除との関係です。 借り換え後の借入額が、借り換え直前の残高を上回る場合、 控除の対象になる年末残高は按分して計算されます。 諸費用を上乗せしたことで借入額が残高を超えると、この按分に当たります。借り換えと住宅ローン控除で扱っています。

見積もりを取ったら、諸費用の合計を1つの数字にまとめてください。 項目ごとに見ていると多いのか少ないのか分かりませんが、 合計を「減る利息」と並べると、動く意味があるかどうかがすぐ分かります。 借り換えの判断は、最後はこの2つの数字の大小に落ちます。

取り戻せるかどうかの見方

諸費用は先に出ていき、金利差の効果は少しずつ効いてきます。 だから借り換えた直後は、必ず借り換えたほうが損をしている状態から始まります。 そこから金利差で埋めていって、追いつく時点があります。

諸費用を取り戻すまでは、借り換えたほうが負担が重いここで追いつく借り換え後いまのローンここでやめると損ここから先が得負担年数
縦は、その時点でやめた場合の負担(それまでの支払+残りの残高)です。借り換えた側は諸費用のぶん高いところから始まり、金利差で少しずつ埋めます。2本が交わる前に売却や完済をすると、諸費用のぶんだけ損になります。

この図の縦軸は「その時点でやめた場合の負担」です。 それまでに払った額だけでなく、残りの残高を清算する額も足しています。 売却や完済で途中でやめるとき、実際に必要になるのはこの合計だからです。 支払った額だけを比べると、金利が下がって元金の減りが速くなった分が数えられません。

2本が交わる前に家を売る予定があるなら、借り換えは諸費用のぶんだけ損になります。 転勤の可能性や、住み替えを考えている時期があるなら、 金利差より先にそちらを確かめるほうが早く結論が出ます。

住宅ローンの借り換え診断では、諸費用を入れると、それを取り戻せる時期が出ます。 住み続ける予定より後になっていれば、金利差があっても動く意味は小さくなります。

よくある質問

事務手数料は定額型のほうが安いのでは?
金額だけを見れば安いのですが、定額型は金利が年0.1〜0.3%上乗せされる商品が多くあります。残りの期間が長いほど上乗せの合計が大きくなるので、どちらが安いかは期間で入れ替わります。
諸費用を借入に組み込むと損ですか?
上乗せした分にも利息がかかるので、総額では手元から払うほうが小さくなります。ただし手元に現金を残す価値があるなら、その利息は対価と考えられます。
抵当権設定の登録免許税に軽減はありませんか?
軽減税率は住宅用家屋の新築または取得のための資金の貸付けが対象で、取得後1年以内の登記などの要件があります。借り換えのための借入は当てはまりません。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては国税庁の住宅ローン控除のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。