住宅ローン

住宅ローンの借り換えとは?効果が出る条件

借り換えで手元に残るのは、金利が下がって減る利息から、諸費用を引いた残りです。金利差そのものではありません。

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この記事の要点

  • 借り換えは、別の金融機関で新しく借りて、そのお金でいまのローンを一括返済する手続きです。
  • 効果は「減る利息 − 諸費用」です。金利差だけを見ると、この引き算が抜けます。
  • 効くのは金利差だけではありません。残高と、残っている期間の両方が効きます。
  • 返済期間を延ばすと毎月は下がりますが、金利差が小さいと総額は増えます。
  • 浮いた分は、毎月の返済額を下げるか、期間を縮めるかで受け取り方が変わります。

いま募集中の国債の利率

  • 個人向け国債 固定3年(第196回債)1.96%
  • 個人向け国債 固定5年(第186回債)2.24%
  • 個人向け国債 変動10年(第198回債)1.95%
  • 新窓販国債 2年(第488回債)1.672%
  • 新窓販国債 5年(第187回債)2.171%
  • 新窓販国債 10年(第383回債)2.943%

2026年9月10日募集分。財務省の公表値を自動で反映しています。新窓販国債は応募者利回りです。

借り換えとは何をすること?

住宅ローンの借り換えは、別の金融機関で新しく借りて、そのお金でいまのローンを一括返済する手続きです。 いまの契約の金利だけを書き換えてもらう手続きではありません。 契約そのものが新しいものに置き換わります。

ここが分かると、借り換えにまつわる面倒ごとの理由がだいたい説明できます。 新しい借入なので審査があります。新しい抵当権を設定するので登記費用がかかります。 いまのローンの抵当権は抹消するので、そちらにも費用がかかります。 団体信用生命保険も入り直しになるので、健康状態によっては借りられないことがあります。

同じ金融機関の中で金利タイプを変えるだけなら「条件変更」で、借り換えとは別のものです。 変動から固定へ切り替えるだけなら、数千円の手数料で済むことがあります。 いま払っている金利を下げたいだけなら、まず借りている金融機関に相談してみて、 そこで下がらないときに借り換えを考える、という順番でも遅くありません。

もう一つ、借り換えでは「借入額」を自分で決めることになります。 いまの残高と同じ額を借りるのが基本ですが、諸費用の分を上乗せして借りることもできます。 手元からお金を出さずに済むかわり、上乗せした分にも完済まで利息がかかります。 手元の預金を減らしたくない事情があるかどうかで決めるところで、 どちらが得かという話ではありません。

金融機関によっては、借り換えの申し込みから実行まで1か月以上かかります。 適用される金利が「申込日」ではなく「実行日」のものだという金融機関も多く、 申し込んだときの金利で借りられるとは限りません。

効果は「減る利息 − 諸費用」

借り換えで手元に残るのは、金利が下がって減る利息から、諸費用を引いた残りです。 金利差そのものではありません。ここを取り違えると、 「0.5%も下がるのだから絶対に得だ」という結論に飛んでしまいます。

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金利が下がれば利息は減りますが、借り換えには諸費用がかかります。手元に残るのは、減った利息から諸費用を引いた残りです。金利差だけを見て決めると、この引き算が抜けます。

諸費用でいちばん大きいのは事務手数料です。借入額の2.2%(2%+消費税)という定率型が多く、 残高3,000万円なら66万円になります。ここに抵当権の設定と抹消にかかる登記費用、 印紙税が乗ります。登録免許税の軽減税率は新築・取得のための借入が対象なので、 借り換えでは使えません。金利差で減る利息が諸費用の合計を下回れば、 借り換えたほうが総額は増えます。

もう一つ、見落とされやすい引き算があります。返済期間です。 借り換えのときに期間を元に戻したり延ばしたりすると、毎月の返済額は下がりますが、 利息を払う期間そのものが延びます。月々が減ったことに安心して、 総額が増えていることに気づかない、というのがいちばん起きやすい読み違いです。

比べるときは、すでに払った利息を持ち込まないでください。 「これまで500万円も利息を払ってきた」という事実は、 いま借り換えるかどうかを決める材料になりません。過去に払った分は、 どちらを選んでも戻らないからです。比べるのは今日から先だけです。

比べるのは毎月の返済額ではなく、今日から完済までに払う総額です。 毎月が減っていても総額が増えていることは、実際に起こります。

効果が出やすい条件

借り換えの効果は、金利差だけでは決まりません。残高残りの期間が両方とも効きます。 金利差は「1年あたりいくら安くなるか」を決め、残りの期間は「それが何年続くか」を決めるからです。 残高はその両方に掛かります。

残高と残期間が小さいほど、諸費用の重みが増す残高が多く残期間も長い残高が少ない残期間が短い取り戻せない減る利息諸費用
青が減る利息、オレンジが諸費用です。諸費用は借入額に比例する部分が大きい一方、減る利息は残りの期間にも比例します。残期間が短いと、金利差があっても諸費用を取り戻せないことがあります。

一方で、諸費用のうちいちばん大きい事務手数料は借入額に比例します。 つまり残高が減っても諸費用は同じ割合でかかり続けるのに、 減る利息のほうは残りの期間が短くなるほど小さくなります。 残り5年で借り換えても、諸費用を取り戻せないことが多いのはこのためです。

よく「残高1,000万円以上・残期間10年以上・金利差1%以上」という3条件が目安として挙げられます。 方向としては正しいのですが、そのまま基準にはしないでください。 事務手数料が定率か定額かで結果は変わりますし、金利差が0.3%しかなくても、 残高が5,000万円で残期間が30年あれば十分に効果が出ます。 逆に金利差が1.5%あっても、残期間が3年なら足りません。

マネック案内役):3条件はあくまで「だいたいこのあたりから考える価値がある」という線引きだよ。自分の残高と残期間で計算してみるほうが早いから、 目安に当てはまらなくても一度は数字を入れてみてね。

住宅ローンの借り換え診断では、残高・残期間・いまの金利と借り換え後の条件を入れると、 諸費用を含めた総支払額の差と、費用を取り戻せる時期が出ます。 目安に当てはまるかどうかではなく、自分の数字で確かめられます。

期間を延ばすと、効果は削られる

借り換えのときは、返済期間を選び直せます。 いまの残り期間より長くすることもできる金融機関が多く、 毎月の返済額を大きく下げたいときに使われます。ただし、これには対価があります。

そのまま年0.9%・25年年0.9%・35年
残りの期間25年25年35年
毎月の返済額115,799円111,709円83,295円
完済までの支払額3,474万円3,421万円3,568万円
借り換えの効果53万円軽減94万円増加

残高3,000万円・残り25年・年1.2%を、年0.9%へ借り換えた場合の概算です(諸費用70万円を含む)。 期間をそのままにすれば総額は53万円軽くなりますが、10年延ばすと毎月は約3.3万円下がる一方で、 総額は94万円増えます。金利は同じなのに、期間を選び直しただけで結果が逆転します。

ただし「延ばせば必ず増える」わけではありません。 同じ条件で年0.7%まで下がるなら、35年に延ばしても総額は21万円軽いままです。 金利差が大きいほど、延ばした期間の影響を打ち消せます。 つまりこれは、金利差と期間の綱引きです。どちらが勝つかは計算しないと分かりません。

毎月の返済が苦しくて借り換えるなら、期間を延ばす選択には意味があります。 総額が増えても、家計が回らなくなるほうが困るからです。 問題は、そのつもりがないのに勧められるまま期間を延ばし、 「毎月2.8万円も減った」という数字だけを見て決めてしまう場合です。

浮いた分をどう受け取るか

金利が下がって浮いた分は、2つの受け取り方があります。繰上げ返済と同じ考え方です。

  • 返済額を軽減する:返済期間はそのままで、毎月の返済額を下げる
  • 期間を短縮する:毎月の返済額をいまと同じに保って、完済を早める

先ほどの例で、毎月の返済額を115,799円のまま据え置くと、 完済は25年から23年5か月に縮み、総額は150万円軽くなります。 返済額を軽減した場合の133万円より、17万円ぶん大きくなります。 利息を払う期間そのものが短くなるからです。

総額だけで見れば期間短縮のほうが有利ですが、だからといって一方をすすめるものではありません。 毎月の手元に余裕を作りたいから借り換える人もいます。 どちらを取るかは、いま何に困っているかで決めるものです。

決める前に確かめること

金利と諸費用のほかに、確かめておくと後戻りしなくて済むものが4つあります。

  • 住宅ローン控除:借り換えても続けられますが、要件があります。 控除を受けられる年数は借り換えでは延びません
  • 団体信用生命保険:入り直しになります。健康状態によっては借り換えできません
  • いまのローンの繰上げ返済手数料:全額を返すことになるので、 その手数料がかかる契約なら諸費用に足します
  • 金利タイプ:全期間固定から変動へ移ると、返済額が動かなかった状態を手放すことになります

住宅ローン控除については、借り換えたからといって自動的に打ち切られるわけではありません。 ただし国税庁は、借り換えによる新しいローンは原則として控除の対象にならないとしたうえで、 一定の要件を満たす場合に限って引き続き受けられる、という整理をしています。 要件を満たすかどうかは契約の内容で決まるので、 金融機関に「控除を続けられる形か」を確認してから進めるほうが確実です。

とくに団信は、金利を比べるだけでは見えません。 がんと診断されたら残高が半分になる特約が付いた金利と、一般団信だけの金利では、 同じ数字でも中身が違います。金利が0.1%高くても保障が厚いほうが、 結果として合っていることはあります。

借り換えは、いまの借金を別の借金で置き換える手続きです。 置き換えたあとの条件を全部そろえて比べないと、金利だけが下がって、 ほかの何かが悪くなっていた、ということが起こります。

よくある質問

金利差が1%ないと借り換える意味はありませんか?
そうとは限りません。残高5,000万円・残期間30年なら、金利差0.3%でも諸費用を上回ります。逆に金利差1.5%でも残期間3年なら足りません。金利差・残高・残期間の3つで決まります。
借り換えると毎月の返済額は必ず下がりますか?
返済期間を変えなければ下がります。ただし期間を短くする選び方もあり、その場合は毎月の返済額をいまと同じに保って完済を早めます。どちらを取るかは選べます。
同じ銀行で金利を下げてもらうことはできますか?
条件変更として応じてもらえることがあります。借り換えより下げ幅は小さいことが多い一方、諸費用がかかりません。まず相談して、そこで下がらなければ借り換えを検討する順番でも遅くありません。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては国税庁の住宅ローン控除のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。