住宅・住宅ローン
近くの似た部屋より家賃が高いなら、借地借家法を根拠に減額を請求する
いまの家賃が近くの似た部屋より高くなっている借主が、借賃増減請求権を使って貸主に減額を請求することで、毎月の家賃を下げるアイデアです。
支出が減る
60,000円/ 年
家賃8万円が7万5千円に下がった場合
- 月あたり 5,000円
- 5年で 300,000円
- 条件が違うと 36,000円〜120,000円
- 手間
- 比較が必要
- 効果が出るまで
- 1か月以内
- 条件依存度
- 高い
- 初期費用
- なし
2026/10/24 時点で有効 · 金額は前提を決めた目安で、おすすめ度ではありません
このアイデアはどうですか?
匿名で数えるだけです。名前も入力内容も送りません。
なぜお金が増える?
借賃増減請求権とは?
借賃増減請求権は、建物の借賃が不相当になったときに、当事者が将来に向かって借賃の額の増減を請求できる権利です(借地借家法第32条)。
請求できるのは、土地もしくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地もしくは建物の価格の上昇もしくは低下その他の経済事情の変動により、または近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときで、契約の条件にかかわらず請求できます。
ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合は、その定めに従うこととされています。
- 住む部屋も、引っ越す必要もありません。変わるのは、毎月払う額だけです。
- 法律に根拠があります。 借地借家法第32条は「建物の借賃が…近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」と定めています。
- 契約期間の途中でも請求できます。 条文は「契約の条件にかかわらず」としています。更新のタイミングを待つ必要はありません。
- 下がれば、毎月ずっと効きます。 月5,000円でも年60,000円。住み続けるかぎり続きます。
- 貸主にとっても、空室より安い家賃のほうが良いことがあります。 退去されると、原状回復・募集・空室期間の費用がかかります。長く住んでいて滞納がない借主ほど、話を聞いてもらいやすくなります。
- ただし、下がるとは限りません。 法律は請求できると定めているだけです。協議が調わないときの手続きも決まっていて、訴えを起こす前にまず調停の申立てをしなければなりません(民事調停法第24条の2)。
借地借家法第32条が挙げる、請求できる理由
条文に書かれている3つです。このいずれかで借賃が不相当になったときに、将来に向かって増減を請求できます。
| 理由 | 条文の言い方 |
|---|---|
| 税などの負担の変動 | 土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により |
| 価格・経済事情の変動 | 土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により |
| 近くの似た部屋との比較 | 近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき |
税などの負担の変動
- 条文の言い方
- 土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により
価格・経済事情の変動
- 条文の言い方
- 土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により
近くの似た部屋との比較
- 条文の言い方
- 近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき
- ※ 一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従うこととされています。
- ※ 請求できるのは「将来に向かって」です。過去の分を返してもらえるものではありません。
協議が調わないときの流れ
借地借家法第32条第3項と、民事調停法第24条の2に書かれている内容です。
| 段階 | 条文が定めていること |
|---|---|
| 協議が調わないあいだ | 減額を正当とする裁判が確定するまでは、貸主は相当と認める額の借賃の支払を請求することができる(借地借家法第32条第3項) |
| 裁判が確定したとき | 既に支払を受けた額が正当とされた借賃の額を超えるときは、その超過額に年1割の割合による受領の時からの利息を付して返還しなければならない(同項ただし書) |
| 訴えを起こす前 | まず調停の申立てをしなければならない(民事調停法第24条の2第1項) |
協議が調わないあいだ
- 条文が定めていること
- 減額を正当とする裁判が確定するまでは、貸主は相当と認める額の借賃の支払を請求することができる(借地借家法第32条第3項)
裁判が確定したとき
- 条文が定めていること
- 既に支払を受けた額が正当とされた借賃の額を超えるときは、その超過額に年1割の割合による受領の時からの利息を付して返還しなければならない(同項ただし書)
訴えを起こす前
- 条文が定めていること
- まず調停の申立てをしなければならない(民事調停法第24条の2第1項)
具体例で見る
家賃8万円が7万5千円に下がった場合
- 月5,000円という下げ幅は、この例で置いた値です。 いくら下がるかは、近傍同種の建物の借賃と交渉の結果で決まります
- 下がるとは限りません。 法律は請求できると定めているだけで、下がる額を保証するものではありません
- 請求できるのは「将来に向かって」です。過去にさかのぼって返してもらえるものではありません
- 一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合は、その定めに従うこととされています(増額しない特約の話で、減額には別の扱いがあります)
- この例に、交渉や手続きにかかる費用は入れていません
- 1いまの家賃 = 80,000円(置いた値)
- 2下がったあとの家賃 = 75,000円(置いた値)
- 31か月の差 = 5,000円
- 4年の差 = 5,000円 × 12か月 = 60,000円
この条件なら年間60,000円/ 条件が違えば額も変わります
式:(いまの家賃 − 下がったあとの家賃)× 12か月
あなたの場合は?
上と同じ式に、自分の数字を入れてください。概算です。
この条件なら年間60,000円(月あたり 5,000円)
式のとおりに1回計算しただけの概算です。上の「得になる条件」と「注意点」に当てはまらない分は、 この額から減ります。
こんな人向け
- 同じ部屋に長く住んでいて、入居時から家賃が変わっていない
- 近くの似た条件の部屋が、いまの家賃より安く募集されている
- 家賃の滞納がなく、貸主との関係が悪くない
- 引っ越す気はないが、家賃は下げたい
得になる条件
- 請求できるのは、租税その他の負担の増減、土地・建物の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動、または近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときです
- 契約の条件にかかわらず請求できます(契約期間の途中でも請求できます)
- 請求できるのは「将来に向かって」です
- 一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従うこととされています
- 減額について協議が調わないときは、減額を正当とする裁判が確定するまで、貸主は相当と認める額の借賃の支払を請求することができます
- 訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければなりません(民事調停法第24条の2)
注意点
- 下がるとは限りません。 法律は請求できると定めているだけで、下がる額を保証するものではありません。
- 協議が調わないあいだは、貸主が相当と認める額を請求できます。 自分の判断で家賃を減らして払うと、滞納として扱われるおそれがあります。
- 訴えの前に調停が要ります。 民事調停法第24条の2は「まず調停の申立てをしなければならない」と定めています。時間も手間もかかります。
- 裁判で確定した額より多く受け取っていた場合、貸主は超過額に年1割の利息を付けて返すことになります(借地借家法第32条第3項ただし書)。逆に言えば、確定するまでの額は暫定です。
- 交渉がこじれると、更新を断られるなど住み続けにくくなることがあります。ただし、更新拒絶には正当の事由が必要です。
- 根拠のない値下げの要求は通りません。近くの似た部屋の募集条件を、資料として集めてから話してください。
- 判断に迷うときは、法テラスや自治体の無料法律相談、弁護士に相談してください。 ここに書いたのは条文の内容で、個別の事案の見通しではありません。
やり方
- 1賃貸借契約書で、家賃と、借賃を増額しない旨の特約があるかを確かめる
- 2近くの似た条件(広さ・築年数・駅からの距離)の部屋が、いくらで募集されているかを集める
- 3いまの家賃との差を出し、どのくらいなら妥当かを決める
- 4管理会社または貸主に、集めた資料を添えて減額を相談する(書面にしておくと、請求した日が残ります)
- 5協議が調わない場合も、いまの家賃は払い続ける(自分の判断で減らすと滞納になります)
- 6どうしても折り合わないときは、簡易裁判所への調停の申立てを検討する
- 7見通しに迷うときは、法テラスや自治体の無料法律相談で相談する
読むもの・数字の出どころ
- 借地借家法(平成三年法律第九十号)第32条(借賃増減請求権)(第1項「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。」。第3項「建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。」)(2026/10/24 確認)
- 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第24条の2(地代借賃増減請求事件の調停の前置)(第1項「借地借家法(平成三年法律第九十号)第十一条の地代若しくは土地の借賃の額の増減の請求又は同法第三十二条の建物の借賃の額の増減の請求に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならない。」。第2項「前項の事件について調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、受訴裁判所は、その事件を調停に付さなければならない。」)(2026/10/24 確認)
やってみた人の声
まだ公開できるレビューがありません。やってみた方の投稿をお待ちしています。 件数がそろうまでは、効果があった割合や改善額は出しません。
このページの最終更新日: