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ビットコインとは?

半分になったものが元に戻るには、そこから2倍にならなければなりません。

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この記事の要点

  • 買っても手元に何かが届くわけではなく、持ち主の記録が分散して保管されます。
  • 銀行預金の預金保険や、株式の会社の利益にあたる裏付けがありません。
  • 配当も利息もないので、増えるのは値段が上がったときだけです。
  • 高値から8割ちかく下げた局面が過去に複数回あり、戻るまで数年かかりました。
  • 8割下げたものが元に戻るには5倍にならなければなりません。深いほど戻りにくくなります。
  • 日本では雑所得となり、ほかの所得と合算されます。損失の繰り越しもできません。

結論から

ビットコインは発行の上限が決められたデジタルな記録で、 国の保証も、配当も利息もありません。 値段は買いたい人と売りたい人の量だけで決まります。 1年で半分以下になった年が実際にあり、戻るまで数年かかりました。

値上がりの話ばかりが目に入りますが、 持ち続けられるかどうかを決めるのは下げたときの深さです。 ここでは、何を持つことになるのかと、その荒さを先に見ます。

否定するための記事ではありません。 性質を知ったうえで、いくらまでなら持てるかを自分で決めるための材料です。

何を持っていることになるのか

ビットコインを買うと、手元に何かが届くわけではありません。 「この番号のビットコインは、この人のもの」という記録が、 世界中のコンピュータに分散して保管されます。

この記録を書き換えるには、参加している多数のコンピュータの同意が要ります。 特定の会社や国が勝手に増やしたり、記録を消したりできない作りです。 発行できる総量にも上限が決められています。

裏を返すと、困ったときに保証してくれる相手がいません。銀行預金なら預金保険があり、株式なら会社の資産や利益が裏付けになります。 ビットコインには、そのどちらもありません。

銀行預金株式ビットコイン
裏付け銀行と預金保険会社の利益と資産なし
持っている間の収入利息配当なし
価格の手がかり元本は動かない業績・利回り買いたい人の量だけ
取れる期間長い長い2014年ごろから

いちばん右の列に、価格の手がかりがありません。 これが、あとで見る値動きの荒さにそのままつながります。

期間の短さも押さえておきたい点です。 株式の指数なら数十年ぶんの記録があり、 好況も不況も戦争も、ひととおり通ってきた実績が残っています。 ビットコインが値段のつくものとして取引されるようになったのは そこからずっと後で、まだ十数年ぶんしかありません。

十数年のあいだに起きたことだけを見て 「こういう資産だ」と決めるのは、材料としては足りません。 金利が高い時代を経験していない、といった空白もあります。過去の値動きから読み取れることが、株式より少ない資産です。

マネック案内役):「上限が決まっているから価値が上がる」という説明をよく見るけれど、 上限があることと、みんなが欲しがることは別の話なんだ。

持っていても、何も生まない

株式には配当が、債券には利息が、不動産には家賃があります。 値段が動かなくても、持っているだけでお金が入ってきます。

持っているあいだにお金を生む資産と、生まない資産資産の種類持っているあいだ増える理由株式配当値上がり+収入債券利息値上がり+収入不動産・リート家賃値上がり+収入なし値上がりだけビットコインなし値上がりだけ下の2つは、値段が動かなければ1円も増えない
株式・債券・不動産は、値段が動かなくても持っているあいだに配当や利息、家賃が入ります。金とビットコインは何も生まないので、増えるのは値段が上がったときだけです。減る側も同じで、値段が下がればそのまま減ります。

ビットコインにはそれがありません。金と同じで、増えるのは値段が上がったときだけです。 1年持っても、値段が変わらなければ資産は1円も増えていません。

この性質は、長く持つ理由の作り方に効いてきます。 配当が入る資産なら「値段が戻らなくても配当は入る」と考えられますが、 ビットコインで下げた期間は、ただ待つ期間になります。

収入を生まないことは、税金の面でも効いてきます。 配当や利息があれば、受け取るたびに少しずつ課税されますが、 その分は手元に残ります。ビットコインでは、 売るまで手元に何も入らないかわりに、 売った年にまとめて課税されることになります。

預けると増える、という仕組みを提供する事業者もあります。 ただしそれはビットコインそのものが生む収入ではなく、 その事業者に貸している状態です。相手が破綻すれば戻りません。

下げの深さが、株とは桁違い

ここがいちばん大事なところです。 ビットコインは、株式の指数とは比べものにならない深さで下げてきました。

高値から8割ちかく下げた局面が、過去に複数回あります。 株式の指数で「大暴落」と呼ばれる下げが4割から5割ですから、 その倍近い深さです。

深く下げた資産が、もとの値に戻るまでの道のり下げる前の値いちばん深いところ下げ幅ここでやっと元通り半分なら2倍、8割下げたなら5倍にならないと戻らない
半分になったものが元に戻るには、そこから2倍にならなければなりません。8割下げたなら5倍です。下げ幅が深いほど、戻るのに必要な上げ幅も、かかる時間も伸びます。持ち続けられるかどうかは、この谷の深さと長さで決まります。

深さがなぜ効くかというと、戻るのに必要な上げ幅が、下げ幅より大きくなるからです。 半分になったものは2倍にならないと戻りません。 8割下げたなら、5倍にならないと元の値になりません。

下げ幅元に戻るのに必要な上げ幅
−20%+25%
−50%+100%
−80%+400%
−90%+900%

この表は算数なので、どの資産でも同じです。 違うのは、ビットコインでは下の2行が実際に起きているという点です。

もう一つ、深い下げが厄介なのは、 途中で売ってしまう人が多いことです。 8割減った画面を毎日見ながら数年待つのは、 数字で見るよりずっと難しいことです。下げに耐えられなかった場合、戻ってきても手元には残りません。耐えられる額かどうかは、この点まで含めて考えてください。

そして戻るまでの時間も長くなります。 過去には、高値を取り戻すまでに3年ほどかかった局面がありました。 その間ずっと、含み損を抱えたまま持ち続けることになります。

「長く持てば戻る」は、これまでそうだったという話でしかありません。 戻らなかった場合に生活が続くかどうかで、投じる額を決めてください。 過去の値動きは、次も同じように戻ることを約束しません。

自分の金額でどれくらい減るのかは、ビットコインに投資していたら今いくらかを試算すると、過去にいちばん沈んだ局面の減り方が円で出ます。

税金の扱いが重い

日本では、ビットコインの利益は原則として雑所得になります。 株式や投資信託の利益とは、計算のしかたが違います。

株式・投資信託ビットコイン
所得の区分申告分離課税雑所得(総合課税)
税率の考え方利益に対して一定ほかの所得と合算して累進
損失の繰り越しできるできない
NISAの対象対象になる商品がある対象外

いちばん効くのは2行目です。 給与などほかの所得と合算されるため、利益が大きいほど税率も上がります。株式の利益にかかる率と比べて、負担が重くなることがあります。

3行目も見落とされがちです。 株式なら損失を翌年以降に繰り越して、将来の利益と相殺できます。 ビットコインではそれができません。 下げた年の損失は、その年で終わります。

利益を計算するには、買ったときの値段を1件ずつ記録しておく必要があります。 何度も売り買いしていると、その計算だけでかなりの手間になります。 取引所が年間の記録を出してくれることもありますが、 複数の取引所を使っていれば自分でまとめることになります。

さらに、ビットコインを別の暗号資産に交換したときにも 利益が確定したものとして扱われます。 売って円にしていなくても、税金の対象になる場合があります。

持つなら、いくらまでか

ここまでを整理すると、判断すべきことは1つに絞れます。8割下げても生活が続く額はいくらか、という問いです。

  • 生活費や近く使う予定のお金は、そもそも対象にしない
  • その残りの中で、8割減っても持ち続けられる額を考える
  • 戻らなかった場合を想定して決める。戻る前提で決めない

割合で決める方法もあります。 資産全体の数%までと決めておけば、値上がりした年には自然と割合が上がるので、 その都度いくらか売って元の割合に戻すことになります。 上がったときに一部を利益として確定させる仕組みが、 あらかじめ入っている形です。

この順番で考えると、多くの人にとって金額はかなり小さくなります。 それが正しい結果です。値動きの荒さに対して、 耐えられる額のほうが先に上限を決めます。

積立で買う方法もあります。買う時期を分けることで、 高いところでまとめて買ってしまう危険は薄まります。 ただし、値動きの荒さそのものが小さくなるわけではありません。積立は、買う値段をならす方法であって、下げを防ぐ方法ではありません。8割下げる局面では、積み立てた分もまとめて8割減ります。

取引所を選ぶときは、国内で登録を受けている業者かどうかを確かめてください。 過去には、取引所が破綻して預けた分が戻らなかった例があります。 自分で鍵を管理する方法もありますが、鍵を失えば取り戻す手段はありません。

持っていることを家族が知らないと、 万一のときに誰も取り出せなくなる点も、ほかの資産とは違います。 預金や証券口座は手続きをたどれますが、 自分で鍵を管理していた場合、その鍵を知る人がいなければ そこで終わりです。どこに何があるかは残しておいてください。

いくらまで投じてよいかは、こちらでは決められません。自分の金額で試算すると、耐えられる下落から逆算した上限が算数で出ます。

ビットコインは、裏付けも収入もありません。過去に8割ちかく下げ、戻るまで数年かかった局面が複数回あります。税金の扱いも株式より重く、損失の繰り越しもできません。 持つなら、その額が無くなっても生活が続く範囲までです。

よくある質問

発行の上限が決まっているから、値段は上がるのですか?
上限があることと、みんなが欲しがることは別の話です。値段は買いたい人と売りたい人の量で決まるので、欲しがる人が減れば下がります。上限は下がらない理由にはなりません。
長く持っていれば戻りますか?
これまでは戻ってきましたが、次も戻るという約束ではありません。過去には高値を取り戻すまでに3年ほどかかった局面があります。その間ずっと含み損を抱えたまま持ち続けることになります。
税金は株式と同じですか?
違います。日本では原則として雑所得となり、給与などほかの所得と合算されます。利益が大きいほど税率も上がり、損失を翌年以降に繰り越すこともできません。別の暗号資産に交換したときも、利益が確定したものとして扱われます。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては金融庁のNISA・つみたて投資枠のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。