米国債

米国債とは?仕組みを、はじめての人向けに

米国債は、アメリカが借りるために発行する債券です。期間の長さより、利息を途中で受け取るかどうかで種類が分かれます。ここでは仕組みを順に説明します。

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この記事の要点

  • Bills(1年以内)・Notes(2〜10年)・Bonds(20年と30年)の3つに分かれます。
  • NotesとBondsは半年ごとに利息が現金で入り、満期に額面が戻ります。
  • Billsは利息の受け取りがなく、額面より安く買って満期に額面を受け取る形です。
  • 利率は入札で決まり、買ったあとは変わりません。動くのは価格のほうです。
  • ドル建ての商品なので、円で見るときは利回りと為替を分けて考えます。

米国債は、アメリカが借りるために発行する債券です。 国債という言葉から日本の個人向け国債を思い浮かべると、 いくつか噛み合わないところが出てきます。いちばん違うのは、お金の単位がドルであることです。

期間の長さより、利息を途中で受け取るかどうかで種類が分かれます。 2年から10年のものは半年ごとに利息が現金で入り、満期に額面が戻ります。 ドル建てなので、円で見るときは利回りと為替を分けて考えます。

米国債とは何か

国がお金を借りるときに出す証書です。 買った人は貸した側になり、決まった利息を受け取って、 満期に貸した額が戻ってきます。この骨格は日本の国債と同じです。

違うのは通貨です。額面もクーポンもドルで決まっているので、 日本に住んでいる人が買うときは、まず円をドルに替えることになります。この一手が入るぶん、見るものが1つ増えます。

もう1つ、日本の国債と違って発行の量が桁違いに多く、 売り買いする人も世界中にいます。だから途中で売りたいときに買い手がつきやすく、 いくらで売れるかも市場で決まります。売れないから困る、という形の詰まり方はしにくい商品です。 ただし「売れる」ことと「損せずに売れる」ことは別です。

もう1つ、日本の個人向け国債との違いがあります。 個人向け国債は途中で換金しても額面が戻る仕組みになっていますが、 米国債にその仕組みはありません。売るときは市場の価格になります。

発行しているのはアメリカ財務省です。買い方は2つあり、 財務省が直接売っているものを買う方法と、日本の証券会社を通す方法があります。 日本に住んでいる人が現実に使うのは後者で、その証券会社が在庫として持っている銘柄の中から選ぶことになります。 どの年限のものが並んでいるかは会社によって違います。

受け取り方で3つに分かれる

期間で名前が変わりますが、分け目は期間そのものではなく、利息をどう受け取るかです。

受け取り方で3つに分かれるBills4〜52週割引で買う利息の受け取りなしNotes2・3・5・7・10年半年ごとに利息満期に額面Bonds20・30年半年ごとに利息満期に額面
年限の長さより、利息を途中で受け取るかどうかで分かれます。ToMiが比較に使っているのは、半年ごとに利息が入るNotesの2年・5年・10年です。
種類期間利息の受け取り方
Bills4週〜52週受け取りなし。安く買って額面が戻る
Notes2・3・5・7・10年半年ごとに現金で
Bonds20年・30年半年ごとに現金で

Billsだけ形が違います。利息を払うかわりに、 額面より安い価格で売り出され、満期に額面が戻ります。 その差額が利息にあたる、という組み立てです。

ToMiが比較に使っているのはNotesの2年・5年・10年です。 Billsは1年以内で、円預金と何年も置き換えて比べる相手になりません。 Bondsの20年・30年は、途中で売るときの価格の振れ方が大きくなり、 満期まで持ち切る前提そのものが置きにくくなります。

マネック案内役):「20年債は長いから危ない、2年債は短いから安全」と読むと外すよ。 長さで変わるのは、途中で売るときの価格の振れ幅のほうなんだ。

利息は半年ごとに現金で入る

NotesとBondsは、満期までのあいだ半年ごとに利息が入ります。 満期にまとめて受け取るのではありません。

利息は現金で入り、元本は増えない買う半年ごとに利息が入る満期額面が戻る
半年ごとに利息が現金で入り、満期に額面が戻ります。受け取った利息を同じ利回りで再投資できる保証はないため、ToMiの試算では再投資しない前提で計算しています。

ここは見落とされやすいところです。 「利回り4%」と聞くと、預けた額が毎年4%ずつ膨らんでいく絵を思い浮かべますが、入ってくるのは現金で、元本のほうは増えません。 膨らませたければ、受け取った利息をまた何かに回す必要があります。

利息の額は、額面に表面利率をかけて半分にしたものです。 半年ごとなので1回あたりは年の半分になります。 買った価格ではなく額面を基準に計算されるので、 安く買った人も高く買った人も、受け取る利息の額は同じです。

受け取った利息を同じ利回りで再投資できるとは限りません。 そのときの市場の利回りは、買ったときと違うためです。 ToMiの試算で再投資しない前提を採っているのは、この保証がないからです。

受け取るたびにドルが手元に増えていく、という形も見落とされます。 円で使うつもりなら、そのたびに円へ戻すか、ドルのまま置いておくかを決めることになります。半年ごとに為替の判断が来ると考えると、実際の使い勝手に近くなります。

満期になると何が起こるか

満期日に、額面が戻ります。買った価格ではなく額面です。

ここが債券の分かりにくいところで、買う価格と戻る額は別です。 額面100の債券を98で買えば、満期には100が戻ります。 102で買えば、満期に戻るのは100までです。

もう1つ、満期日は買う前から決まっています。 「そろそろ売ろうか」と考える余地がないぶん、予定を立てやすい商品です。 使う時期が決まっているお金なら、その時期に近い年限を選ぶことで、 途中で売る場面そのものを避けられます。

なぜ額面ちょうどで買えないことがあるのかは、利回りと価格の関係で扱います。ここでは「戻るのは額面」とだけ覚えておけば足ります。

利率は買ったあと変わらない

債券の利率は入札で決まり、そのあとは満期まで変わりません。 決まった額が半年ごとに入り続けます。

変動金利のように見直される仕組みではないので、受け取る利息の額は、買った時点で最後まで決まります。 これは強みでもあり、弱みでもあります。 市場の金利が上がっても、自分の受け取る額は増えません。

円預金と比べると、この性質は逆向きに働きます。 普通預金の金利は上がることも下がることもありますが、 米国債は買った時点で固定されます。先が読める代わりに、いい方向にも動かないという組み合わせです。 どちらが向いているかは、金利の予想ではなく、 決まっていることが役に立つ場面かどうかで決まります。

変わるのは価格のほう

利率が動かないぶん、市場の金利が動くと価格が動きます。 金利が上がれば、いま持っている債券の価格は下がります。 満期まで持ち切るなら関係のない話ですが、 途中で売るなら、ここがそのまま受取額になります。

逆に、金利が下がれば価格は上がります。 自分の受け取る利息は変わらないのに、その債券を欲しがる人が増えるためです。 ただし価格が上がったからといって、売って利益にするのが得とは限りません。売ったあと、同じ利回りで買い直せるとは限らないからです。

満期を待たずに売ることもできる

米国債は満期前でも売れます。ただし戻るのは額面ではなく、そのときの市場価格です。

日本の個人向け国債は、発行から1年たてば額面で買い取ってもらえます。 同じ「国債」でも、この点は正反対です。 個人向け国債の中途換金は額面が守られ、米国債の途中売却は守られません。

守られないぶん、価格が上がっているときに売れば額面より多く受け取れます。 個人向け国債では起こらないことです。上にも下にも振れるのが、市場で売買される債券の性質になります。

この違いのせいで、「国債だから途中でやめても損しない」という前提が そのまま持ち込まれることがあります。米国債では成り立ちません。 近いうちに使う予定のあるお金を入れると、売る時期を選べない状態で価格を受け入れることになります。

ドルで見るか、円で見るか

ここまでの話は全部ドルの中で完結しています。 ドルで買い、ドルで利息を受け取り、ドルで額面が戻る。

ですが日本で暮らしていれば、使うのは円です。 円をドルに替えて買い、戻ったドルをまた円に替えることになります。為替は入口と出口の2回かかります。

この2回に加えて、半年ごとの利息にも為替がかかります。 受け取るのはドルなので、円で使うならそのたびに替えることになります。 回数が増えるほど、平均すると1回のレートに振り回されにくくなりますが、 手間のほうは増えます。

円に戻す前提でないなら、話は変わります。 留学の費用や海外への支払いなど、ドルのまま使う予定があるなら、 見るのは円換算ではなく、満期に手元へ残るドルの額です。 自分がどちらなのかを先に決めておくと、比べる相手が決まります。

そのため、ドル建てで増えていても円では減っていることがあります。 利回りの高さだけを見て判断すると、この部分が抜けます。 くわしくは米国債の為替リスクで扱います。

自分の金額で確かめる

仕組みが分かっても、自分の金額でいくらになるかは別の話です。 金額と年数が決まれば、そこは計算できます。

ToMiでは円預金のままにした場合と、円換算で並べて比べることができます。 利回りとドル円は公表値を入れてあるので、金額と年数だけで結果まで出ます。

登録は要りません。入力したデータはブラウザの中だけに残ります。 いま何%かは米国債の参考利回りで見られます。

よくある質問

米国債はいくらから買えますか?
米財務省の直販では額面100ドル単位です。ただし日本の証券会社を通す場合は、その会社が持っている在庫と単位によります。取扱いは会社ごとに違うので、購入前に確認してください。
利息はいつ受け取れますか?
NotesとBondsは半年ごとです。満期にまとめて受け取るのではなく、途中で現金として入ります。Billsには利息の受け取りがなく、額面より安く買った差額が利息にあたります。
個人向け国債と何が違いますか?
通貨が違います。個人向け国債は円建てで、額面が円で戻ります。米国債はドル建てなので、円に戻す時点の為替によって手元に残る円が変わります。中途換金の扱いも違い、米国債は市場価格で売ることになります。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては国税庁の利子所得のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。