銀行の手数料

銀行手数料を減らす方法

使い方の工夫は毎月覚えていないと続きません。効くのは、生活費の口座そのものを、無料回数の付く銀行へ移すことです。

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この記事の要点

  • 最初にやるのは、年間いくら払っているかを出すことです。額が分からないと、手間をかける価値があるかを決められません。
  • いちばん確実なのは、生活費の出入りする口座を、ATMと振込に毎月の無料回数が付く銀行へ移すことです。
  • 使い方の工夫は毎月覚えておく必要があり、忘れた月にまた払います。口座を替えれば、覚えていなくても無料の側になります。
  • 移すのは生活費の出入りだけで足ります。いまの銀行を解約する必要はありません。ただし給与振込まで移さないと効果が出ません。
  • 無料回数には上限があります。「移せばゼロ」ではないので、自分の使う回数が範囲に収まるかを先に見ます。
  • 口座を移せないときは、ATMの時間帯・振込の方法・無料回数の条件を確認します。ただし条件のために新しい支出をするのは本末転倒です。

銀行手数料を減らす方法は、大きく2つに分かれます。 いまの口座で使い方を変えるか、口座そのものを替えるか。 効くのは後者です。使い方の工夫は毎月覚えておく必要があり、 忘れた月にまた払うことになります。口座を替えれば、何も覚えていなくても無料の側に落ちます。

見直しの順番

効くものから順に並べると、こうなります。 最初に額を出すのは、そのあとの手間が見合うかを決めるためです。

銀行手数料の見直しは、口座そのものを替えるのが早い1年間いくら払っているかを出す額が分からないと、手間に見合うか決められない2生活費の口座を、無料回数の付く銀行へ移す一度やれば、あとは何も覚えなくていい3給与振込と引き落としを移すここまでやって、はじめて出入りが移る4移せない口座は、使い方で下げる時間帯・振込方法・無料回数を確認する5年に1回、増えていないか見る条件は変わる。放っておくと戻る
上から順に進めます。2〜3は数時間かかりますが、一度やれば毎月の手間はゼロになります。移せない事情があるときだけ、4の使い方の工夫に戻ります。

飛ばしてはいけないのは1番目です。 「手数料が安い銀行はどこか」を調べるところから入ると、いま自分がいくら払っているのか分からないまま比較することになります。 年間300円しか払っていない人が半日かけて口座を移しても、割に合いません。 手間をかける価値があるかは、額を出してはじめて決まります。

マネック案内役):金額が分からないまま対策を並べても、どれから手をつけるか決まらないよ。 最初にやるのは計算だね。

まず年間いくら払っているかを出す

いちばん確実なのは、銀行アプリや通帳の明細を見ることです。 「ATM手数料」「振込手数料」として、取引とは別の行に記録されています。 直近3か月分を数えて4倍すれば、おおよその年間の負担が出ます。

細かく数えるのが難しければ、月に有料で使っている回数と1回あたりの手数料を掛けて 12倍するだけでも十分です。目的は正確な額を出すことではなく、桁を知ることだからです。年間3,000円なのか30,000円なのかで、 かける手間の大きさは変わります。

受け取る利息より、払う手数料のほうが大きいことがある1年間に受け取る利息(税引後)約1,594円1年間に払う手数料(有料ATM 月2回)5,280円差し引き 3,686円のマイナス。金利を上げる前に、ここが止まる
預金100万円・年利0.2%なら税引後の利息はおよそ1,594円です。有料のATMを月2回使えば年5,280円で、利息を上回ります。金額は説明のための例で、実際の金利と手数料は金融機関によって違います。

この比較が、この記事でいちばん伝えたいところです。 預金100万円を年利0.2%で置いても、税引後の利息は年1,594円ほどです。 有料のATMを月2回使えば年5,280円ですから、利息を3倍以上も上回ります。金利を上げるより、手数料を止めるほうが確実で、早いという場面が実際にあります。

生活費の口座を、無料回数の付く銀行へ移す

ここが本題です。ATMの入出金と他行あての振込に、毎月の無料回数が付く銀行があります。 店舗を持たない銀行に多く、無料回数を超えた分の料金も、 店舗のある銀行より低く設定されていることがあります。

使い方の工夫との違いは、続くかどうかです。 「平日の昼間にATMを使う」「振込はアプリから」は、毎月それを覚えていないと成り立ちません。 忙しい月や出張の多い月には守れず、そこでまた払うことになります。 口座そのものを替えれば、覚えていなくても無料の側に落ちます。一度の手間で、毎月の注意が要らなくなるのが、この方法のいちばんの利点です。

移すのは、生活費の出入りだけでよい

口座を移すというのは、いまの銀行を解約することではありません。 動かすのは、日々の出入りがある部分だけです。 具体的には、給与の受け取り、公共料金やカードの引き落とし、 日常の引き出しと振込。ここが移れば、手数料の発生源はほぼ移ります。

定期預金や、住宅ローンの引き落とし口座は、そのまま置いておいて構いません。 動かす必要のないものまで動かすと、手間だけが増えます。

ただし、給与振込の変更を忘れると効果が出ません。 引き出しだけを新しい口座に移しても、給与がいまの銀行に入る限り、 そこから移す振込が新たに発生します。入り口である給与振込まで移して、はじめて出入りが移ります

かかる手間を、先に見ておく

正直に書くと、数時間はかかります。口座の開設、給与振込の変更届、 公共料金やカードの引き落とし先の変更、家族や取引先への口座番号の連絡。 引き落とし先の変更は、事業者ごとに手続きが必要です。

だから最初に額を出すのです。年間1万円が10年で10万円になるなら、 数時間かける価値はあります。年間300円なら、やらないほうがいい。どちらかは、金額を見れば決まります

マネック案内役):解約はしなくていいんだ。生活費の出入りだけ移せば、手数料はついてこなくなるよ。

無料回数には上限がある

「移せば手数料はゼロ」ではありません。無料回数は月あたり数回のことが多く、 その回数も、残高や取引状況によって決まる銀行があります。 条件を満たさない月は無料回数が減り、超えた分には料金がかかります。

自分の使う回数が無料の範囲に収まるかどうかは、 いま何回使っているかが分かっていれば判断できます。 ここでも、最初に出した回数が効いてきます。

いまの負担がいくらで、口座を移すとどこまで下がるかは、銀行の手数料、1年でいくら払っている?で確認できます。移した場合の額も並べて出ます。

移せないときは、ATMの使い方で下げる

給与振込を変えられない、家族の口座と揃えている、といった事情で移せないこともあります。 その場合は、いまの口座で下げられるところを探します。ATMが大半なら、確認するのは3つです。

ATMの手数料は、回数と単価の掛け算で決まります。 つまり減らし方も2通りしかありません。回数を減らすか、単価を下げるかです。 単価を下げるほうは、時間帯を変える・自行のATMを使う・無料回数を使う、という形になります。 回数を減らすほうは、1回あたりの引き出し額を増やすか、 そもそも現金を使う場面を減らすか、ということになります。

  1. 1いま使っているATMが、無料になる時間帯を持っているか
  2. 2自分の銀行のATMが、無理なく寄れる場所にあるか
  3. 31回あたりの引き出し額を増やして、回数を減らせないか

このうち、いちばん失うものが少ないのが1番目です。同じATMを、同じ場所で、 時間だけ変える。それで無料になる回があるなら、それは何も犠牲にしていません。

3番目は効果が大きいぶん、注意も要ります。回数が半分になれば手数料も半分ですが、 そのぶん現金を持ち歩くことになります。落としたり盗まれたりするリスクと、 減らせる手数料を比べて決めてください。詳しくはATM手数料の記事で整理しています。

移せないときは、振込の方法で下げる

こちらも、口座を移せない場合の話です。振込が大半なら、確認するのは方法です。 窓口やATMで済ませている振込のうち、 アプリに移せるものがあれば、それだけで下がります。

振込の場合、回数を減らすという選択肢はほとんど使えません。 家賃も月謝も、支払わなければならない相手と時期が決まっているからです。 そのぶん、経路を変えることの効果が相対的に大きくなります。 同じ相手に、同じ金額を、同じ日に送っても、どこから送るかだけで額が変わります。

いまの方法変える先変えると
窓口アプリ・ネットバンキング大きく下がることが多い
ATM(現金)ATM(キャッシュカード)現金の取り扱いがなくなる分だけ下がる
ATMアプリ・ネットバンキング下がる。ATM利用手数料も不要になる

実際の金額は金融機関によって違います。振込そのものをやめる必要はありません。

ここで大事なのは、必要な振込を我慢する話ではないということです。 家賃も、習い事の月謝も、送金しなければならないものは変わりません。 変えるのは経路だけです。詳しくは振込手数料の記事にまとめています。

無料回数と優遇条件を確認する

ここが、いちばん大きく減らせる可能性のあるところです。 給与の受け取り、一定の残高、アプリの利用、カードの利用といった条件で、 ATMや振込の無料回数を付けている銀行があります。

確認するのは2点です。そもそも優遇があるかと、いまの自分が条件を満たしているか。 銀行アプリの「手数料」「優遇」「ステージ」といったページで確認できます。 条件があるのに満たしていない、あるいは満たしているのに設定をしていない、 という状態は珍しくありません。

優遇の条件は、銀行にとって「取引を続けてもらうための仕組み」です。 給与を受け取ってもらう、残高を置いてもらう、カードを使ってもらう。 そのお返しとして手数料を下げています。 だから、すでにその銀行を主に使っている人ほど、条件を満たしている可能性が高くなります。 自分は該当しないだろうと決めつけずに、一度確認する価値があります。

すでに給与をその口座で受け取っているのに、優遇の対象になっていないことがあります。 受取口座の登録と優遇の判定が別になっている銀行があるためです。 心当たりがあれば、一度確認してみてください。

条件達成のための支出に注意する

優遇の条件を満たそうとして、新しい支出をしてしまうことがあります。 これは本末転倒です。減らせる手数料が年5,000円なのに、 年会費1万円のカードを作れば、差し引きで負担が増えます。

次のような判断は、いったん止まって計算してください。 使う予定のないカードを契約する。必要のない残高をその銀行に移す。 使わないサービスを申し込む。いずれも、減らせる額より大きい負担になっていないかを確かめてからにしてください。

残高を移す場合はもう一つ注意があります。1つの銀行に預金を集めると、 万一のときに預金保険で保護される範囲を超えることがあります。 手数料を数千円減らすために、保護の範囲を外れるのは割に合いません。

減らしたあとを続ける

一度見直しても、そのままにしておくと戻ってしまうことがあります。 手数料は毎月少しずつ出ていくもので、増えても目立たないためです。

続けるためのこつは、年に1回だけ確認する日を決めておくことです。 たとえば毎年の誕生月に、直近3か月の明細で手数料の行を数える。 それだけで、知らないうちに元に戻っていないかが分かります。 毎月見る必要はありません。むしろ頻繁に見ようとすると続きません。

確認するときに見るのは2点です。回数が増えていないか、 そして優遇の条件から外れていないか。 条件は毎月判定される銀行が多いため、給与の受取口座を変えた、 残高が減った、といった変化で扱いが変わることがあります。 手数料が増えていたら、この2つのどちらが原因かを分けて考えると早く分かります。

もう一つ、生活が変わったときは見直しの機会です。 引っ越し、転職、家族構成の変化。こうしたときは使うATMも振込先も変わります。 前の生活に合わせた設定のままだと、合わなくなっていることがあります。

最後に、この見直しで得られるものの大きさについて触れておきます。 年間で減らせるのは、多くの場合5,000円から10,000円程度です。 金額としては大きくありませんが、特徴が2つあります。 ひとつは、リスクを取らずに確実に手元へ残ること。 もうひとつは、一度直せば毎年続くことです。 投資で同じだけ増やそうとすれば元本と値動きが必要ですが、 手数料の見直しにはどちらも要りません。

よくある質問

銀行を変えれば手数料は減りますか?
ATMの入出金と他行あて振込に毎月の無料回数が付く銀行へ、生活費の出入りを移せば減ります。使い方を変える方法もありますが、毎月それを覚えている必要があり、忘れた月にまた払います。ただし移すには給与振込や引き落としの変更が必要で、数時間はかかります。手間に見合うかは、いま年間いくら払っているかを出してから判断してください。
手数料が年間いくらか、どうやって調べますか?
銀行アプリや通帳の明細で「ATM手数料」「振込手数料」の行を数えるのがいちばん確実です。おおよそで構わない場合は、月に有料で使っている回数と1回あたりの手数料を掛けて12倍すると出ます。
無料回数の条件を満たすために、カードを作るべきですか?
使う予定のないカードを契約するのは勧められません。年会費や、条件を満たすための利用額のほうが、減らせる手数料を上回ることがあります。すでに使っているサービスで条件を満たせるかどうかを、先に確認してください。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては利用している金融機関の手数料のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。