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100万円を一括投資するのと積立投資の違い

どちらが増えるかは相場が決めます。選んでいるのは増え方ではなく、受け入れられる後悔の種類です。

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この記事の要点

  • 違いは1つだけです。買う値段が1つか、複数か。
  • 一括は最初から全額が市場に置かれ、積立は入れ終わるまで市場に置く期間が短くなります。
  • 上がり続ける相場なら一括、下げてから戻る相場なら積立が有利です。事前には決まりません。
  • 積立で減るのは、買うタイミングを間違える危険だけです。買い終わったあとの値動きは同じように受けます。
  • 積立を長く続けるほど資産は大きくなり、1回の下落で動く金額も大きくなります。
  • 持ち続けられない金額なら、時期を分けても解決しません。金額そのものを見直すことです。

結論から

どちらが増えるかは、これからの相場次第で事前には決まりません。上がり続ける相場なら一括、下げてから戻る相場なら積立が有利です。 実際に選んでいるのは、増え方ではなく「後悔の仕方」です。

この問いには、はっきりした答えを期待して来る人が多いところです。 けれど答えを出すには、これから相場がどう動くかを知っている必要があります。 知っている人はいないので、答えは出せません。出せるのは、判断のしかたのほうです。

手元に100万円あるとき、いま全部入れるか、 毎月少しずつ入れるかは、多くの人が迷うところです。 どちらが正解かという答えはありませんが、 何が違うのかをはっきりさせれば、自分で選べます。

何が違うのか

まず、2つの方法が具体的に何をすることなのかを確かめます。 違いは思っているより少なく、そこが分かると判断がしやすくなります。

比べる前に、条件をそろえておきます。 同じ商品を、同じ合計金額だけ買う場合の話です。 商品が違えば結果も違いますし、金額が違えば比べる意味がありません。

違いは1つだけです。買う値段が1つか、複数か。

一括は1つの値段で買い、積立は時期ごとに違う値段で買う一括積立(毎月)時間 →
一括はその日の値段がそのまま取得価格になります。積立は買った時期ごとに値段が違うため、取得価格はそれらの平均に近づきます。値上がりが続く相場では一括のほうが有利になり、下げてから戻る相場では積立のほうが有利になります。

一括で買えば、その日の値段がそのまま取得価格になります。 積立なら、買った時期ごとに値段が違うので、 取得価格はそれらの平均に近い値になります。

もうひとつ、見落とされやすい違いがあります。 一括なら最初から全額が市場に置かれますが、 積立では入れ終わるまで、まだ入れていないお金が手元に残ります。 つまり積立は、市場に置いている期間が短くなります。

長い目で見て市場が上がるなら、置いている期間が長いほうが有利です。 この点だけを見れば、一括のほうが理屈のうえでは有利ということになります。 ただしこれは「上がるなら」という前提つきの話です。

どちらが増えるかは相場次第

違いが分かったところで、では結局どちらが得なのかを考えます。 結論を先に言うと、その問いには答えが出ません。理由を順に見ていきます。

この2つの違いは、買い終わるまでのあいだにしか効きません。 全額を入れ終わったあとは、どちらの方法で買ったかに関係なく、 同じ商品を同じだけ持っている状態になります。 違いが出るのは、その入り口の部分だけです。

だから積立の期間が短いほど、一括との差は小さくなります。 3か月に分けて入れる程度なら、結果はほとんど変わりません。 差が意味を持つのは、1年、2年と時間をかける場合です。

結果を決めるのは、これから相場がどう動くかです。 そしてそれは、事前には分かりません。

これからの相場有利なのは理由
上がり続ける一括早く入れたぶん、長く値上がりに乗れる
下げてから戻る積立安い時期にも買えるので、取得価格が下がる
上がってから下げる積立高い時期に全額を入れずに済む
横ばいほぼ同じどちらも大きな差にならない

過去のデータで比べると、一括のほうが結果が良かった期間のほうが多い、 という調べ方をした結果はあります。 市場が長期的には上がってきたので、早く入れたほうが有利だったからです。

ただしこれは「過去の期間ではそうだった」という話で、 次の期間もそうなる保証はありません。 高値の直前に一括で入れれば、その後しばらく元本を割ったままになります。

マネック案内役):この話、どっちが正解かを探しても答えは出ないんだ。 正解は相場が決めることで、それは後になってからしか分からないからね。

積立はリスクを消さない

ここからは、積立について広く信じられている説明を検討します。 言葉の印象と、実際に起きることのあいだにずれがあります。 そのずれを埋めておかないと、あとで想定と違う動きに見えます。

ここは誤解が多いところなので、少していねいに書きます。 積立という言葉には「少しずつだから安心」という響きがありますが、 安心の根拠がどこにあるのかは、はっきりさせておいたほうがよいものです。

積立について、よくある誤解があります。 「時間を分散すればリスクが減る」という説明です。

減るのは、買うタイミングを間違える危険だけです。 買い終わったあとの値動きは、一括で買った場合とまったく同じように受けます。

10年かけて積み立てたお金も、積み立て終わったあとは まとまった1つの資産です。そこから相場が半分になれば、半分になります。 積立を選んだからといって、下落を受けないわけではありません。

もうひとつ、積立には続けられるという利点があります。 毎月の決まった額なら、家計から無理なく出せることが多く、 相場を見ながら判断する場面も減ります。 この「判断しなくてよい」という点は、金額の話とは別に価値があります。

同じ年率でも、途中の道のりは違う。真っすぐ増える線と、途中で沈んでから戻る線投資した時点いま同じ着地ここで売ると、この結果にならない
どちらも始点と終点が同じなので、あとから計算した年率は同じ値になります。ちがうのは途中で、下の線は一度大きく沈んでいます。持ち続けられるかどうかを決めるのは、終点ではなく、この沈み方のほうです。
積立を長く続けるほど、資産は大きくなり、 1回の下落で動く金額も大きくなります。 始めたばかりの頃の値下がりは痛くありませんが、 20年続けたあとの値下がりは、金額としては大きく効きます。

本当に選んでいるもの

ここまでで、どちらが有利かは相場が決めること、 積立でも下落は受けることが分かりました。 では何を基準に選べばよいのか、という話に移ります。 基準は相場の側にはなく、自分の側にあります。

相場が読めない以上、どちらを選んでも結果は運に左右されます。 そこで考え方を変えて、結果ではなく自分の側から決める方法を取ります。

どちらが増えるかが事前に決まらない以上、 実際に選んでいるのは増え方ではありません。どちらの後悔なら受け入れられるかを選んでいます。

  • 一括で入れた直後に下がったら、「待てばよかった」と思う
  • 積立にして相場が上がり続けたら、「一度に入れればよかった」と思う

どちらの後悔も起こりえます。 自分がどちらに耐えられるかは、人によって違いますし、 それを他人が決めることはできません。

判断の材料になるのは、金額の大きさです。 その資産が過去にいちばん下げた率を、いま入れようとしている額に当てはめてみてください。 その減り方を見て「これなら待てる」と思えるなら一括でよく、 「これは無理だ」と思うなら、金額を減らすか時期を分けるかです。

自分の金額で、過去の下落を当てはめて確かめると、その額が何円まで減った時期があったかが出ます。

決め方

ここまでの内容を、実際に手を動かせる形にまとめます。 考える順番を決めておけば、迷う時間そのものが短くなります。

最後に、実際に決めるときの順番を書いておきます。 結果を予想しようとせず、自分の側の条件から決めていく形です。

迷ったときの整理のしかたを書いておきます。 どちらかが正しいという前提を捨てるところから始めます。

どちらを選んでも間違いではない、という前提に立つと、 問われるのは金額のほうだと分かります。 方法の選択で結果が大きく変わるなら、その金額が自分にとって大きすぎるのかもしれません。

  • その金額を一度に入れて、半分になっても持ち続けられるか考える
  • 持ち続けられるなら、一括でも積立でもよい。理屈では一括がわずかに有利
  • 持ち続けられないと思うなら、金額そのものが大きすぎる可能性がある

3つ目が肝心です。積立にすれば大丈夫、という話ではありません。 最終的に同じ額が市場に置かれるなら、受ける下落も同じです。 時期を分けることは、金額を減らすことの代わりにはなりません。

なお、毎月の収入から積み立てる場合は、そもそもこの比較の対象外です。 手元にまとまった額がないなら、入るたびに入れていくしかありません。 この記事の話は「いま手元にまとまった額がある」場合のものです。

なお、一括と積立のあいだを取る方法もあります。 半分をいま入れて、残りを何回かに分けるやり方です。 理屈のうえで最適というわけではありませんが、 どちらの後悔も半分ずつに抑えられるので、決めきれないときの逃げ道になります。

大事なのは、決めきれないまま何もしないでいるより、 決めた方法で入れてしまうほうが、たいていの場合はよい結果になることです。 迷っているあいだ、そのお金は預金のまま置かれています。 方法の違いより、入れるか入れないかのほうが、結果への影響は大きくなります。

どちらが増えるかは事前に決まりません。 選んでいるのは増え方ではなく、受け入れられる後悔の種類です。 持ち続けられない金額なら、時期を分けても解決しません。

よくある質問

過去のデータでは、どちらが有利でしたか?
一括のほうが結果が良かった期間のほうが多い、という調べ方をした結果はあります。市場が長期的には上がってきたので、早く入れたほうが有利だったためです。ただしこれは過去の期間についての話で、高値の直前に一括で入れれば、その後しばらく元本を割ったままになります。
積立にすればリスクを減らせますか?
減るのは、買うタイミングを間違える危険だけです。積み立て終わったあとは、一括で買った場合とまったく同じ値動きを受けます。10年かけて積み立てたお金も、そこから相場が半分になれば半分になります。
毎月の収入から積み立てる場合はどうですか?
その場合はこの比較の対象外です。手元にまとまった額がないなら、入るたびに入れていくしかありません。この比較は「いま手元にまとまった額がある」場合の話です。

参照した一次情報

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