国税庁
役員社宅は、いくら受け取れば給与にならない?
会社が借りた住宅を役員に貸すとき、役員から賃貸料相当額を受け取っていれば、社宅を貸したこと自体は給与として課税されません。 受け取る額がそれより低ければ、差額が給与になります。 ここに載せているのは、その相当額を出すための面積の基準と式です。
「家賃の50%を払えばよい」は、役員の規則ではありません
受け取った額が賃貸料相当額の50%以上なら課税されないのは使用人の扱いで(国税庁 No.2597)、 役員は別の通達です(No.2600)。役員には、この安全圏がありません。 賃貸料相当額に届かなければ、その差額がそのまま給与になります。
役員の話にも50%は出てきますが、意味が違います。 小規模でない住宅を借り上げたときに、家主へ払う家賃の50%と自社所有の式で出した額の高いほうを相当額とする、という規則です。 払う額の下限ではありません。
取り違えると、差額が給与として課税されます。会社の経費は増えますが、 役員の所得税・住民税・社会保険料も増えるので、節税のつもりで手残りが減ることがあります。
まず、小規模な住宅かどうか
式が変わるので、ここが入口です。建物の法定耐用年数で面積の基準が違います。 区分所有の建物は、共用部分の床面積を按分して専有部分に加えて判定します。
| 建物の法定耐用年数 | 小規模な住宅となる床面積 |
|---|---|
| 30年以下 | 132㎡以下 |
| 30年超 | 99㎡以下 |
小規模な住宅の賃貸料相当額(月額)
次の3つの合計です。どれもその年度分の固定資産税の課税標準額を使います。
| 計算のもと | かける率・金額 |
|---|---|
| 建物の固定資産税の課税標準額 | 0.2% |
| 建物の総床面積 | 12円 ×(総床面積㎡ ÷ 3.3㎡) |
| 敷地の固定資産税の課税標準額 | 0.22% |
2つめは建物の総床面積です。 その役員が住んでいる部屋の面積ではありません。
小規模な住宅でない場合
| 住宅の持ち方 | 月額の賃貸料相当額 |
|---|---|
| 会社が所有している | (建物の課税標準額 × 12%(法定耐用年数30年超は 10%) + 敷地の課税標準額 × 6%)÷ 12 |
| 他から借り受けている | 家主へ払う家賃の50%と、上の式で出した額の、高いほう |
この式が使えない場合(豪華社宅)
床面積が240㎡を超えるものは、 取得価額・支払賃貸料・内外装の状況などを総合的に勘案して判定します。240㎡以下でも、一般的な住宅に設置されていないプール等の設備や、 役員個人の嗜好を著しく反映した設備があれば該当します。 該当すると上の式は適用されず、通常支払うべき使用料に相当する額が 賃貸料相当額になります。ToMiはこの場合に金額を出しません。
そもそも社宅と認められないもの
会社がお金を出していることと、社宅であることは別です。次のものは社宅の貸与と認められず、 給与として課税されます。
- ・現金で支給する住宅手当
- ・入居者本人が家主と契約している住宅の家賃を、会社が負担するもの
よくある説明と、実際の扱い
| よく見る説明 | 実際 |
|---|---|
| 家賃の50%を役員が払えばよい | 役員にその規則はありません。50%は、小規模でない住宅を借り上げたときに「家主へ払う家賃の50%」と「自社所有の式で出した額」の高いほうを採る、という意味です。受け取る額が賃貸料相当額に届かなければ、差額が給与として課税されます。 |
| 家賃の10%を払えばよい | 国税庁のページに10%という基準はありません。 |
| 家賃の50%以上なら課税されない | それは使用人の扱い(No.2597)です。役員と使用人は別の通達で、役員に50%の安全圏はありません。 |
| 会社が家賃を払えば経費になる | 社宅として貸しているかどうかで変わります。現金の住宅手当や、本人が契約している家賃の肩代わりは社宅の貸与と認められず、給与として課税されます。 |
| 役員社宅にすれば社会保険料も下がる | 税務とは別の判定です。社会保険では住宅の現物給与価額(厚生労働大臣が定める額)で報酬に換算するため、税務上の賃貸料相当額をそのまま当てはめることはできません。 |
この数字は、自動では書き換えません。
3つの式はどれも固定資産税の課税標準額を使います。賃貸物件でも必要で、家主か市町村から取るしかありません。ToMiは推定値で「適正額が確定した」とは出しません。実際の金額と、社宅規程・契約名義の整え方は、税理士にご確認ください。
面積の基準と3つの式は月1回の見張りで公表ページと突き合わせていますが、 差が見つかっても値は自動で入れ替えません。改正の「年分」と「施行日」はずれる年があり、 公表ページの数字をそのまま入れると、年の途中で誤った額を出すことになるためです。 一次資料を読んで確かめてから、期間を足す形で反映します。
出典
出典ページの表記は「令和8年4月1日現在法令等」です。 役員(No.2600)と使用人(No.2597)は別の通達なので、片方だけ改正されることがあります。 値が同じままでも扱いが変わることがあるため、30日ごとに読み直しています。
- 国税庁 No.2600 役員に社宅などを貸したとき(2026年10月21日取得 / 2026年10月21日確認)
- 国税庁 No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき(2026年10月21日取得 / 2026年10月21日確認)
この数字の更新について
- ・税制と保険料率は、金利のような自動反映にしていません。
- ・一次資料の取得 → 差分の検知 → 人による確認 → 確認日の記録 → 反映、の順で更新します。
- ・改正の適用時期は「年分」と「施行日」でずれることがあり、数値だけを機械的に差し替えると、 その年の途中で誤った額を出すことになるためです。
- ・値のすぐ横に確認日を出しています。古いまま置かれていないか、そこで判断できます。