米国債

米国債の税金はどうなる?

もうけの入口は2つあります。半年ごとの利息と、償還や売却で出た差です。扱いが分かれるので、順に見ていきます。

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この記事の要点

  • 外国国債は特定公社債にあたります(国税庁 No.1310)。
  • 利子は利子所得で、15.315%と地方税5%が源泉徴収されます。申告分離課税です。
  • 償還や売却で出たもうけは、上場株式等に係る譲渡所得等になります。
  • 税額は円で計算するので、為替の動きも税に関わります。
  • 口座区分やほかの損益によって実際の手取りは変わります。ToMiの税額は概算です。

米国債で手にするお金には、2つの入口があります。 半年ごとの利息と、償還や売却で出た差です。この2つは税の扱いが分かれます。

分かれるといっても、税率が違うわけではありません。 違うのは所得の区分と、他の損益と通算できるかどうかです。 そこが分かると、確定申告をするかどうかの判断もつきやすくなります。

外国国債は特定公社債にあたります(国税庁 No.1310)。 利息は利子所得、償還や売却で出たもうけは上場株式等に係る譲渡所得等になり、 どちらも申告分離課税です。円で計算するので、為替の動きも税に関わります。

外国国債は特定公社債にあたる

税の話をする前に、その商品が制度の上でどこに置かれているかを確かめます。 ここが決まらないと、税率も手続きも決まりません。

債券は種類が多く、発行した相手や上場しているかどうかで 扱いが分かれます。米国債は分かりやすいほうで、 国税庁の説明にそのまま名前が出てきます。

社債や新興国の債券になると、ここがもう少し複雑になります。 米国債の税を調べた知識を、そのまま他の債券へ持っていかないでください。

国税庁は特定公社債等の範囲に国債、地方債、外国国債などを挙げています。 米国債はこの外国国債にあたります。

譲渡や償還の側でも、上場株式等の範囲に 「外国またはその地方公共団体が発行し、または保証する債券」が入っています。 つまり、利息も譲渡も、日本の国債と同じ枠組みで扱われます

この枠に入っていることには意味があります。 特定公社債の外に置かれている公社債もあり、 そちらは総合課税になる場合があります。同じ「債券」でも、どこに置かれているかで税率が変わります。

マネック案内役):「外国の商品だから特別な税金がかかる」わけじゃないんだ。 置き場所は日本の国債と同じ棚だよ。

半年ごとの利息

受け取った利息は利子所得になります。

もうけの入口は2つある半年ごとの利息利子所得償還・売却のもうけ譲渡所得等どちらも申告分離課税円で計算するので、為替の動きも税額に関わる
外国国債は特定公社債にあたります。利子は利子所得、償還や売却で出たもうけは上場株式等に係る譲渡所得等として、どちらも申告分離課税になります。

支払いを受けるときに、所得税・復興特別所得税として15.315%、 これとは別に地方税5%が源泉徴収されます。合わせて20.315%です。

そのうえで、同じ税率の申告分離課税の対象になりますが、 確定申告をしないことも選べます。 源泉徴収だけで終わらせるか、申告して他の損益と通算するかを選ぶ形です。

申告したほうがよいのは、たとえば上場株式等の枠で損が出ている年です。 利子と通算できれば、源泉徴収された分が戻ることがあります。 損が出ていない年に申告しても、手間が増えるだけで結果は変わりません。

いったん確定申告でどちらかを選んだあとは、 修正申告や更正の請求でその選択を変えることはできません。 迷う場合は申告の前に確かめてください。

もう1つ、利息は受け取るたびに課税されます。 満期にまとめてではありません。半年ごとに、 そのつど引かれた残りが手元に入る形になります。再投資に回せるのは、引かれたあとの額です。

満期に償還されたとき

満期に額面が戻ったとき、買った価格との差が出ることがあります。 額面より安く買っていれば、その差はもうけです。

この差は利息ではありません。 上場株式等に係る譲渡所得等として、申告分離課税になります。

受け取るもの所得の区分課税のしかた
半年ごとの利息利子所得源泉徴収 + 申告分離(申告しない選択も可)
償還で出た差譲渡所得等申告分離
売却で出た差譲渡所得等申告分離

逆に額面より高く買っていれば、差はマイナスになります。 その場合も譲渡所得等の枠の中で扱われます。

ここは見落としやすいところです。 「満期まで持てば税金は利息にしかかからない」と思っていると、 額面より安く買っていた場合に、償還の年でもう一度税が出てきます。買った価格が額面と違うなら、満期にも計算が1つ残ります。

途中で売ったとき

満期を待たずに売った場合も、償還と同じ枠です。 売った価格と買った価格の差が、譲渡所得等になります。

上場株式等の枠なので、同じ枠の損益と通算できます。株式や投資信託で損が出ている年に、債券で利益が出ていれば、 相殺できる可能性があります。

同じ証券会社の特定口座で持っていれば、その中で自動的に通算されます。 複数の会社に分かれている場合は、申告して初めて通算できます。

ただし、通算できる相手は決まっています。 上場株式等の損失を一般株式等の利益から引くことはできません。 自分の持っているものがどちらの枠かを、先に確かめてください。

損が出た年に使える仕組みもあります。 上場株式等の枠で出た損は、申告することで翌年以降へ繰り越せる場合があります。 売って損が出たときこそ、申告を検討する場面になります。

円で計算するので、為替も関わる

税額は円で計算します。ドル建ての商品でも、 買ったときと売った(償還された)ときを円に直して差を出します。

為替は、入口と出口の2回かかる手元のお金ドル買うときドル満期に戻る使うときここで1回ここでもう1回途中の半年ごとの利息も、受け取るたびに円へ戻すことになる
円からドルに替えて買い、満期にドルで受け取り、使うときにまた円へ戻します。入口と出口でレートが違うので、ドル建てで増えていても円では減ることがあります。

そのため、ドル建てでは同じ額でも、円に直すと差が出ます。 ドルで見て損益ゼロでも、円安になっていれば円ではもうけが出ている、 という状態が起こります。

逆に、円高になっていればドルでもうけが出ていても、 円では損になっていることがあります。 税の計算も、生活で使う金額と同じく円のほうで行われるということです。

この性質のせいで、円安が進んだ年は税額も増えます。 円換算で増えているのだから当然ではあるのですが、 ドル建ての数字だけを見て予定を立てていると、 手取りが思ったより少なくなることがあります。

ToMiの税引後は、利子に20.315%をかけただけの概算です。 為替を含めた償還時の損益にかかる税は含めていません。 円安が進んだ場合、実際の税額はここより大きくなることがあります。

口座の区分で手続きが変わる

どの口座で持っているかによって、手続きの手間が変わります。

特定口座(源泉徴収あり)

証券会社が計算して納めるところまでやってくれます。 申告しないという選択が取りやすい形です。

手間は少ないぶん、他の会社の損と通算したい場合は 結局そのぶんを申告することになります。

特定口座(源泉徴収なし)・一般口座

自分で計算して申告することになります。 外貨建ての商品は円換算の手間が加わるぶん、負担が大きくなります。

米国債を扱える口座の種類は、証券会社によって違います。買う前に、どの口座で持つことになるかを確かめておくと、 あとで手続きの重さに驚かずに済みます。

もう1つ、外国債券を扱っていない証券会社もあります。 口座を持っているところで買えるとは限らないので、 比較を始める前に取扱いの有無を見ておくと、順番として無駄がありません。

アメリカ側の源泉税

外国の債券なので、アメリカ側でも税が引かれるのかという疑問が出ます。

ここは一律には決まりません。 非居住者に対する扱いと、証券会社がどう処理するかによります。 「米国債だから0%」と決めつけられるものではありません。

ToMiでも、米国側の源泉税を0%と固定していません。 実際にどう処理されるかは、取引する証券会社に確かめてください。

もし両方の国で課税された場合に備えて、 二重課税を調整する仕組み(外国税額控除)も用意されています。 ただしこれを使うには確定申告が要ります。使えるかどうかも、実際に引かれているかどうかで決まります。

ToMiの税額は概算

ここまで見たとおり、実際の税額は口座の区分、他の損益、 為替の動きによって変わります。

ToMiが出しているのは、利子に課税した場合の概算までです。 確定申告が必要かどうかの判定もしていません。 税務の判断は、年間取引報告書を持って税務署か税理士に確かめてください。

それでも概算を出しているのは、 税を無視した数字だけで比べると、円預金との差が実際より大きく見えるためです。正確でなくても、引かれることを織り込んだほうが判断に近づきます。

ToMiでは円預金と円換算で比べることができます。 登録は要りません。入力したデータはブラウザの中だけに残ります。 為替そのものの効き方は米国債の為替リスクで扱っています。

よくある質問

確定申告は必要ですか?
この記事では判定しません。利子については源泉徴収で済ませる選択もでき、申告分離を選ぶこともできます。どちらが有利かは口座区分やほかの損益によるので、証券会社の年間取引報告書と税務署または税理士に確認してください。
為替で得した分にも税金がかかりますか?
償還や売却の損益は円に直して計算するため、為替の動きもそこに含まれて出てきます。ドル建てでは同額でも、円に直すと差が出ることがあります。ToMiの税引後は利子だけに課税した概算で、ここは含めていません。
アメリカでも税金が引かれますか?
一律には決まりません。米国側の非居住者に対する扱いと、証券会社がどう処理するかによります。ToMiでは米国側の源泉税を0%と決め打ちしていません。実際の扱いは取引する証券会社に確認してください。

参照した一次情報

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この記事は商品の仕組みを説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては国税庁の利子所得のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。