預金・生活防衛資金

古い定期預金は、途中で乗り換えると得?

新しい金利が高いだけでは決まりません。中途解約で減る利息と、新しい満期まで資金を動かせない期間を同じ画面に置いて比べます。

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この記事の要点

  • 乗り換えの判断は金利差ではなく、今日から同じ比較日までに受け取れる税引後金額の差で行います。
  • 満期前に解約すると、当初の約定金利ではなく中途解約利率が適用され、受け取る利息が減ることがあります。
  • 新しい定期預金の満期が現在より後なら、増える受取額には運用期間が長い効果も含まれます。金額と換金時期を分けて見ます。
  • 預入日・満期日・期間の三つのうち二つが分かれば残りを概算できますが、契約画面にある満期日を優先します。
  • 高い表示金利には、新規口座、預入上限、募集期限などの条件が付くことがあります。申込前に公式条件を確認します。
  • 差額がプラスでも、手続きの手間、資金を使う予定、預金保険の範囲を確認してから選びます。

昔預けた定期預金より、いま募集されている定期預金の金利が高いと、すぐに預け直したくなります。 しかし、満期前の解約では当初の金利がそのまま付かないことがあり、新しい定期預金の満期も現在より先へ延びます。 判断に必要なのは金利差ではなく、今日から同じ比較日までに手元へ戻る税引後の金額です。

金利が高いだけでは、乗り換えが得とは決まらない

定期預金の乗り換えで比べるものは二つです。一つは、現在の定期預金をそのまま満期まで持った場合の受取額。 もう一つは、今日解約し、解約後に戻る元本と利息を新しい定期預金へ預けた場合の受取額です。 新しい金利が高くても、中途解約で失う利息が大きければ、差額は小さくなります。

さらに、新しい商品だけ預入期間が長い場合は、受取額が多くて当然です。現在の満期が半年後なのに、 新しい定期預金を一年後の満期まで計算すれば、金利だけでなく運用した期間まで増えています。 この二つを区別せずに「いくら増えた」と表示すると、乗り換えの効果を大きく見せてしまいます。

金利差の見え方は、元本と残り期間でも変わります。同じ金利差でも、元本が小さければ増える利息は小さく、 現在の満期が目前なら新しい金利を使える期間も短くなります。反対に、元本が大きく、満期まで長い契約では差が広がりやすくなります。 したがって、広告に表示された金利だけを見ても、自分にとっての差額は分かりません。

最初に見るのは金利差ではありません。現在の満期、中途解約後の受取額、新しい満期の三つを並べ、 同じ日まで比べられるかを確認します。

今日から同じ比較日までの受取額で比べる

比較の起点は、最初に預けた日ではなく今日です。過去に預けていた期間は、いまの判断では取り戻せません。 今日から先について、満期まで待つ道と、今日から別の商品へ移る道を比べます。 比較日は、まず現在の定期預金の満期日にそろえると分かりやすくなります。

定期預金の乗り換えは、今日から同じ比較日までを比べる預入日今日現在の満期満期まで待つ現在の約定金利で、満期までの利息を受け取る今日、解約して預け直す解約後の元本を新しい金利へ
満期まで待つ場合と、今日解約して預け直す場合を、同じ比較日までの税引後受取額でそろえます。新しい定期預金の満期が現在の満期より後なら、その差も判断材料です。

新しい定期預金の満期が比較日より後になる場合、その時点ではまだ引き出せない可能性があります。 その場合は、金額の比較と換金時期の比較を分けます。新しい商品を満期まで持った最終受取額は参考になりますが、 現在の満期日に使えるお金とは同じではありません。

比較日を現在の満期日にそろえられない場合は、二段階で見ます。まず現在の満期日時点で、待った場合に受け取れる金額を出します。 次に、新しい定期預金はその満期まで持った場合の金額を出し、何か月長く預けることで増えたのかを明記します。 「金額は多いが、使える日は遅い」という違いを残せば、必要な時期に間に合うかを判断できます。

乗り換え差額 = 新しい定期預金の税引後受取額 − 現在の定期預金を満期まで持つ税引後受取額

自分の元本、金利、預入日、満期日を入れた比較は、古い定期預金を今の金利へ乗り換えた場合の試算で確認できます。試算結果では、税引後の受取額と中途解約による減少を別々に見てください。

中途解約では、当初の約定金利より利息が減ることがある

定期預金は、満期まで預けることを前提に金利が決まっています。満期前に解約すると、多くの商品では 「中途解約利率」や「期限前解約利率」が使われます。当初の約定金利を預けた日数分そのまま受け取れるとは限りません。 普通預金金利を基準にする商品、約定金利へ一定割合を掛ける商品、預入期間に応じて段階的に変える商品があります。

高い金利で増える分から、中途解約で減る分を引く新しい金利で増える利息プラス中途解約で失う利息マイナス同じ比較日で残る税引後の差額差額が小さければ、手間や資金拘束も含めて判断
乗り換えの効果は、新しい定期預金で増える税引後利息だけでは決まりません。中途解約で失う利息と、資金を長く拘束する差を一緒に確認します。

中途解約利率は銀行や商品、解約までの日数によって異なります。一般的な一つの率をすべての商品へ当てはめることはできません。 商品説明書、預入時の契約内容、解約確認画面に表示される受取見込額の順に確認します。 正確な額が分からないときは、普通預金金利や約定金利の一定割合を参考値にできますが、確定額として扱わないでください。

中途解約で減るのは、一般に元本ではなく利息です。ただし、すでに中間利払いを受け取っている商品では、解約時に計算し直した結果、 払いすぎた利息が元本から差し引かれて戻るように見えることがあります。これは預金そのものの値下がりとは異なりますが、 解約時に口座へ入る金額だけを見ると元本より少なく見える可能性があるため、契約規定の精算方法を確認します。

一部の商品は原則として中途解約できない、または銀行が認める事情に限って解約できる場合があります。 金利の計算以前に、解約できる条件と手続きを必ず金融機関で確認してください。

確認する場所分かること使い方
商品説明書・規定中途解約利率の算式、解約条件まず仕組みを確認する
銀行アプリの契約詳細預入日、満期日、約定金利試算の入力に使う
解約確認画面・窓口現時点の受取見込額最終判断の直前に確認する

表示項目や名称は金融機関によって異なります。解約を確定する前の確認画面で受取額が出る場合があります。

預入日・満期日・期間は、三つのうち二つを確認する

中途解約までの日数と満期までの残り日数を出すには、日付が必要です。預入日、満期日、預入期間の三つは互いに関係しているため、 二つが分かれば残り一つを概算できます。例えば、満期日と一年ものだと分かれば、預入日は満期日の約一年前です。

ただし「一か月」を単純に三十日として計算すると、月末やうるう年でずれることがあります。 契約上の満期日は銀行アプリや証書に書かれた日を優先してください。また、自動継続された定期預金では、最初の預入日ではなく、 直近の継続日から現在の預入期間が始まっている場合があります。

利息計算には、日数だけでなく一年を何日として扱うか、端数をどこで切り捨てるかも関係します。 記事や簡易試算では日割りの概算ができますが、銀行の最終受取額と数円単位まで一致するとは限りません。 判断を変えるほど差額が小さい場合は、概算で決めず、金融機関の解約見込額を使って比較してください。

  • 預入日:現在の契約期間が始まった日。自動継続なら直近の継続日も確認する
  • 満期日:現在の約定金利で利息を受け取り、原則として引き出せる日
  • 期間:三か月、一年、三年など、商品の契約期間
  • 今日:中途解約利率を適用する経過日数と、満期までの残り日数の境目
マネック案内役):「何年ものだったか」だけで計算せず、アプリに出ている満期日を一度見てね。自動継続だと、思っていた預入日と違うことがあるよ。

新しい定期預金は、表示金利以外の条件も確認する

高い金利が表示されていても、誰でも同じ条件で預けられるとは限りません。新規口座限定、預入金額の上限、給与受取などの取引条件、 募集期限、自動継続後の金利が設定されていることがあります。キャンペーン金利が適用される期間も、預入期間全体とは限りません。

金利の表記が同じ年率でも、単利か複利か、利払いが満期時か途中にもあるかで受取時期が変わります。 一年程度の比較では差が小さい場合もありますが、複数年の商品では再投資されるかどうかが効いてきます。 比較するときは、税引前年利の大小だけでなく、同じ元本を同じ期間預けた税引後受取額に直します。

項目確認する理由
適用条件自分が表示金利の対象になるかを確かめる
最低・最高預入額移したい元本を全額預けられるかを確かめる
募集期限現在の定期預金を解約する日に申し込めるかを確かめる
預入期間と満期お金を使う予定より長く拘束されないかを見る
中途解約条件乗り換え先でも再び同じ問題が起きないかを見る
自動継続後の金利最初の満期後も表示金利が続くと誤解しないため

金利の高い順は推奨順ではありません。条件は申込前に各金融機関の公式情報で確認してください。

ToMiの主要銀行の定期預金金利データでは、複数行の金利、最低預入額、期限、主な条件を並べています。特定の商品を勧めるものではなく、最終確認は各行の公式情報が必要です。

乗り換える前は、差額・使う時期・手間の順に確認する

計算上の差額がプラスでも、必ず乗り換える必要はありません。差額が数百円や数千円なら、口座開設、本人確認、資金移動、 満期管理にかかる手間のほうを重く感じる人もいます。一方、元本が大きく、満期まで長く、金利差も大きい場合は、確認する価値が高まります。

資金を使う予定が決まっていない場合でも、すべてを同じ満期へ集める必要はありません。満期を複数回に分ければ、 一部は早く使える状態を保ち、一部だけ高い金利の期間へ預けられます。ただし、口数を増やせば管理する満期も増えます。 金額面の差だけでなく、自分が把握できる契約数に収めることも、実際の運用では重要です。

預金保険の範囲も確認します。利息の付く普通預金や定期預金は、同じ金融機関にある対象預金を合算して保護範囲が判定されます。 金利だけを見て一つの金融機関へ資金を集めると、保護範囲を超えることがあります。別の銀行へ移す場合も、すでにその銀行へ預けている残高を足して考えます。

  • 現在の契約内容と、中途解約した場合の受取見込額を確認する
  • 現在の満期まで待つ場合と、今日乗り換える場合を税引後で比べる
  • 新しい商品の満期が、資金を使う予定より後にならないか確認する
  • 適用条件、預入上限、募集期限、自動継続後の金利を確認する
  • 同じ金融機関の対象預金を合算し、預金保険の範囲を確認する
  • 最後に、増える差額が手続きと管理の手間に見合うかを決める

「金利が高いから移す」ではなく、「中途解約の減少を差し引いても、必要な日に使える税引後受取額が増えるか」で決めます。 比較結果は情報であり、特定の金融機関や商品を勧めるものではありません。

よくある質問

定期預金は満期前でも解約できますか?
多くの商品では中途解約できますが、当初の約定金利より低い中途解約利率が適用されます。商品によっては原則として解約できない、または金融機関が認める事情に限る場合があります。契約した商品の説明書と解約確認画面で確かめてください。
中途解約の利息が分からないときは、どう計算しますか?
普通預金金利や約定金利の一定割合を参考値として試算できます。ただし、中途解約利率は商品と経過期間で異なるため、参考値は確定額ではありません。最終判断には金融機関が表示する受取見込額を使ってください。
新しい定期預金の金利が高ければ、必ず乗り換えたほうが得ですか?
必ず得とは限りません。中途解約で失う利息、新しい商品へ預けられる期間、新しい満期まで資金を使えないことを含めて比べる必要があります。税引後の差額が小さければ、手続きや管理の手間に見合わないこともあります。

参照した一次情報

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この記事は考え方を説明するものであり、 特定の商品の購入を勧めるものではありません。 個別の投資助言でもありません。制度や条件は変わることがあるため、実際のご判断にあたっては総務省統計局の家計調査のページや、お取引先の金融機関で最新の条件をご確認ください。