定期預金は、一定の期間お金を引き出さない前提で銀行へ預ける商品です。普通預金より金利が高めに設定されることがありますが、自由に使えることと引き換えです。元本が動かないこと、いつ使えるか、途中で解約すると何が変わるかを一つの契約として理解すると、表示金利だけに迷わされません。
定期預金は、期間と金利を決めて預ける契約
預けるときに、元本、預入期間、適用金利、満期日が決まります。期間には数か月から複数年まであり、銀行や商品によって選べる長さが異なります。満期まで持てば、原則として預入時に示された条件で元本と利息を受け取ります。
株式や投資信託のように市場価格が毎日動く商品ではありません。口座画面の評価額が相場で上下することはなく、満期までの受取額を見積もりやすいのが特徴です。一方、物価が上がったときに金利が自動で追いつく商品でもありません。契約期間中に世の中の金利が上がっても、預入時の金利が続くのが一般的です。
定期預金という名前でも、商品ごとに条件は違います。単利か複利か、利息を満期時にまとめて払うか途中にも払うか、個人だけか法人も対象か、最低預入額はいくらかを確認します。「定期預金だから同じ」とまとめず、契約単位で見ます。
預金証書を発行する形だけでなく、現在は通帳を使わず銀行アプリの中だけで管理する商品もあります。形が違っても、確認する項目は同じです。商品名、預入元本、預入日、満期日、期間、約定金利、満期時の取扱いを記録します。銀行名と残高だけでは、途中で見直すときに契約条件を再現できません。
総合口座の定期預金を担保に自動融資を受けられる場合もあります。普通預金残高を超えて引き出せるため便利に見えますが、引き出した額は定期預金の解約ではなく借入です。融資利息がかかるので、定期預金の利息と相殺して有利になるとは限りません。残高がマイナス表示になったときは、自動融資が発生していないか確認します。
定期預金は「高い金利の普通預金」ではありません。一定期間使わない約束と引き換えに、預入時の条件を固定する商品です。
普通預金との違いは、自由に使えるかどうか
普通預金は、振込、引き落とし、ATMでの出金など、日常のお金の出入りに使います。金利は銀行が変更すれば口座残高にも新しい率が適用されます。定期預金は日常の支払いから切り離し、満期まで置くことを前提にします。
| 比較項目 | 普通預金 | 定期預金 |
|---|---|---|
| 使い方 | いつでも入出金する | 満期まで預ける |
| 金利 | 変更後の率が反映される | 預入時の率が基本 |
| 満期 | ない | ある |
| 途中の引き出し | 自由 | 中途解約として扱う |
| 向くお金 | 生活費・緊急資金 | 使う時期まで余裕がある資金 |
一般的な違いです。商品ごとの規定を優先してください。
生活費や急な出費に備えるお金まで定期預金へ移すと、必要な日に中途解約することになります。金利差で増える額より、資金をすぐ動かせない不便のほうが大きくなることがあります。最初に普通預金へ残す金額を決め、その残りを期間商品で考える順番が安全です。
定期預金は一口にまとめる必要もありません。同じ総額を複数の満期へ分ければ、一部が定期的に満期を迎えます。これを満期分散と呼ぶことがあります。必要になったときに全額を中途解約せずに済む一方、契約数と満期管理の手間は増えます。自分が管理できる口数にとどめ、満期通知を設定します。
金利は年率なので、預入期間と税金をそろえて読む
定期預金に表示される金利は通常、年率です。半年ものに年率が表示されていても、半年でその率ぶんの利息を受け取るという意味ではありません。元本へ年率を掛け、実際に預けた期間へ日割りまたは月割りし、さらに税金を差し引いて受取額を出します。
国内の個人の預貯金利息は、受取時に税金が差し引かれます。したがって「一千万円を年一%なら十万円」と考えた数字は税引前です。通帳へ入る金額はそれより少なくなります。銀行ごとの付利単位、端数処理、うるう年の扱いによって数円程度ずれることもあります。
単利は元本だけに利息が付き、複利は受け取った利息を元本へ組み入れて次の利息を計算します。短い期間では差が小さくても、期間が長くなるほど差が広がります。年率だけでなく、利払い方法と満期時の税引後受取額を確認すると比較できます。
金利の変化を予想して期間を決めることもできますが、将来の金利を正確に当てることはできません。短い期間なら満期後に新しい金利へ乗り換えやすい反面、金利が下がれば低い率で更新します。長い期間なら現在の率を固定できますが、途中で金利が上がっても契約は変わりません。予想だけで一つの期間へ集中させず、使う予定を基準にします。
預金利息の税金は預金利息にかかる税金で仕組みを確認できます。
満期になると、受け取るか自動継続する
満期時の扱いには、元利金を普通預金へ入れる方式、元本だけ継続して利息を受け取る方式、元本と利息を合わせて継続する方式などがあります。申込時に選ぶ場合も、商品側で決まっている場合もあります。
自動継続では、最初に預けた金利が永久に続くわけではありません。一般には満期日の店頭金利など、その時点の条件で新しい定期預金が始まります。キャンペーン金利で預けても、継続後は通常金利になることがあります。満期前に銀行から届く案内と、継続後の適用金利を確認します。
満期日を忘れると、使う予定の資金が再び定期預金へ入り、取り出すために中途解約が必要になることがあります。資産管理では、銀行名と残高だけでなく、満期日、期間、自動継続の有無を記録しておくと判断が早くなります。
満期日が休日の場合の扱いや、満期資金が普通預金へ入る時刻も金融機関によって異なります。満期日に支払いへ使う予定なら、前営業日までに使えるとは限りません。必要日の直前を満期にせず、入金確認と振込に使える余裕を持たせます。大きな支払いでは振込限度額の変更にも時間がかかるため、預金の満期とは別に準備します。
元本保証でも、同じ銀行に集める額には上限がある
定期預金は、契約どおり満期まで持つ場合、銀行が元本と利息を支払う商品です。ただし銀行が破綻した場合は預金保険制度の範囲で保護されます。利息の付く普通預金や定期預金は、同じ金融機関にある対象預金を合算して判定されます。
複数の支店や複数の口座に分けても、同じ金融機関なら名寄せされます。家族名義なら預金者ごとに扱われますが、名義だけ借りた預金として扱われると本人の預金にならない可能性があります。金利の高い一行へ集める前に、その銀行へすでに置いている普通預金や他の定期預金も合算します。
「元本保証」は、どんな金額でも国が無制限に守るという意味ではありません。預金保険の対象、名寄せ、保護範囲を確認してください。
定期預金に向くのは、使う時期と金額を決められるお金
定期預金へ回しやすいのは、数か月から数年は使わないと決められ、元本の値動きを避けたいお金です。住宅購入、税金、学費、設備投資など、使う時期が見えている資金は満期を合わせやすくなります。反対に、毎月の生活費、緊急時の予備費、使う日が読めないお金は普通預金へ残すほうが扱いやすくなります。
「投資は怖いので全部定期預金」という選択も、目的によっては偏りになります。元本額は変わらなくても、物価が上がれば同じ金額で買えるものは減ります。近い将来に使うお金を守る役割と、長期間使わないお金を育てる役割は分けて考えます。定期預金は前者の候補であり、すべての目的を一つで満たす商品ではありません。
- 元本は満期まで使わなくてよいか
- 満期日はお金を使う予定より前か
- 中途解約利率と解約条件を確認したか
- 満期時の受取方法と自動継続を確認したか
- 同じ銀行の対象預金を合算したか
- キャンペーン終了後や継続後の金利を確認したか
すでに低い金利の定期預金へ預けている場合は、満期まで待つ受取額と、今日解約して預け直す受取額を比べます。自分の金額で定期預金の乗り換えを試算すると、中途解約の影響を含めて確認できます。
定期預金を選ぶ前に、先に「いつ、いくら使うか」を決めます。金利はその条件に合う商品の中で比べる数字です。
