リボ払いには複数の返済方式がある
リボ払いは「毎月一定額を払う仕組み」とまとめられがちですが、実際には返済方式が複数あります。同じ残高・同じ手数料率でも、方式が違えば 毎月の支払額も、返し終わるまでの期間も、支払う手数料の総額も変わります。
方式は契約で決まっていて、明細に書かれています。まずは自分がどれなのかを確認するのが出発点です。
方式の名前は会社によって呼び方が違います。 「元利定額リボルビング方式」「残高スライド元利定額リボルビング方式」のように、 長い名前で書かれていることもあります。 名前を覚える必要はなく、次の2点が分かれば十分です。
- 毎月の支払額は一定か、残高で変わるか
- その支払額に手数料が含まれているか、上乗せされるか
大きく分けると、毎月の支払額を固定する考え方と、残高の大きさに応じて支払額を変える考え方の2つがあります。 前者は家計の見通しが立てやすく、後者は残高が大きい時期の返済が進みやすい、という違いがあります。 どちらが有利と一概には言えず、返し終わるまでの期間と毎月の負担のどちらを重く見るかで評価が変わります。
なぜ方式が複数あるのかというと、返済のしやすさと完済までの速さは両立しないからです。 毎月の負担を軽くすれば期間は延び、期間を縮めれば毎月の負担は重くなります。どこで折り合いをつけるかの設計が違う、と考えると整理できます。
利用者側から見れば、まず知るべきは「いまの契約がどちらに寄っているか」です。 毎月の負担を軽くする方に寄った契約であれば、 そのままでは完済まで時間がかかり、手数料の総額も大きくなります。 それが自分の意図と合っているかを確かめるところから始めてください。
なお、方式が違っても手数料の計算のしかたは同じです。 その時点の残高に手数料率をかけて求めます。違うのは、 毎月いくら払い、そのうちいくらが元金に充てられるか、という配分の決め方だけです。
定額方式
毎月の支払額を原則として一定にする方式です。家計の見通しは立てやすい一方、 残高が大きくても支払額が変わらないため、残高が大きいほど返済に時間がかかります。
さらに、この方式には「支払額に手数料を含む」ものと「元金の額を決めて手数料を上乗せする」ものがあります。
| 元利定額(手数料込み) | 元金定額(手数料上乗せ) | |
|---|---|---|
| 毎月払う額 | 一定 | 変動する(元金+その月の手数料) |
| 元金に充てられる額 | 手数料を引いた残り | 決めた額そのまま |
| 元金の減り方 | ゆるやか | 速い |
| 支払い初期の負担 | 軽い | 重い |
残高スライド方式
残高の大きさによって、毎月の支払額が段階的に変わる方式です。 残高が一定の額を超えると支払額が上がり、返済が進んで残高が減ると支払額も下がります。
残高が大きい時期に返済が進みやすいという性質がある一方、毎月の負担が一定ではありません。段階の区切りや金額は契約先によって異なります。
たとえば「残高30万円までは月1万円、30万円を超えると月2万円」といった段階が設定されていると、 返済が進んで残高が30万円を下回った時点で、毎月の支払額が下がります。 負担が軽くなる一方で、そこから先は元金の減りも遅くなるため、完済までの期間は思ったより延びることがあります。
元金と手数料の見方
どの方式でも、毎月の支払いは元金充当額と手数料に分かれます。 明細では別々の欄に書かれていることがほとんどです。
明細に元金充当額の欄がない場合は、支払額から手数料を引けば求められます。 その月の手数料は「残高 × 手数料率 ÷ 12」でおおよそ計算できるので、 支払額との差を見れば、いま元金がどのくらいの速さで減っているかが分かります。
この計算をしてみると、思ったより元金が減っていないことに気づく人が多くいます。 毎月2万円払っていても、残高が大きければ手数料に6千円以上取られ、 元金に回るのは1万4千円ということが起こります。払っている額と、減っている額は別だという点を、数字で確認しておいてください。
自分の方式を確認する方法
利用明細や会員サイトの、次のような欄を確認してください。
- お支払いコース/支払方式
- 毎月のお支払い金額
- 元金充当額と手数料の内訳
- 支払残高
方式や支払額は変えられるのか
返済方式そのものを利用者が選べるかどうかは、契約先によって異なります。 一方で、毎月の支払額(支払コース)は変更できることが多く、 こちらの方が手を付けやすい入口です。
支払額を上げるとどうなるか
毎月の支払額を上げると、そのぶん元金に回る額が増えます。 手数料は残高に対してかかるため、元金が速く減れば、 そこから先の各月の手数料も小さくなっていきます。結果として、完済までの期間と総支払額の両方が減ります。
効果は残高が大きいうちほど大きく出ます。 返済の終盤に支払額を上げても、残っている手数料自体が少ないため、差は小さくなります。
ボーナス払いや臨時の返済
毎月の支払額を変えずに、臨時でまとめて返す方法を用意している会社もあります。 毎月の負担は今のままにしておきたいが、手元にまとまった資金があるときは、この方が扱いやすくなります。
変更するときに確認すること
- 変更が反映されるのはいつの支払いからか
- 変更できる回数や時期に制限がないか
- 変更後の毎月の支払額で、家計が回るか
方式を指定したうえでの試算は 繰り上げ返済の診断 でできます。方式が分からない場合は概算として計算し、その旨を結果に明示します。
方式によって総支払額が変わる理由
手数料は残高に対してかかり続けます。したがって、元金が速く減る方式ほど、手数料の総額は小さくなります。 毎月の支払額が同じでも、そのうち元金に充てられる割合が違えば結果は変わります。
手数料は残高に対してかかり続けるので、返し終わるまでの期間が長いほど、 支払う手数料の総額は大きくなります。毎月の支払額を下げれば当座の負担は軽くなりますが、 その分だけ期間が延び、総額は増えます。この関係は、どの方式でも変わりません。
方式を自分で選び直せる場合もあります。会員サイトで支払コースを変更できるカードでは、 毎月の支払額を上げることで期間を縮められます。 いま払えている額に余裕があるなら、そこを見直すのが最初の一手になります。
自分の方式を選んだうえでの試算は 繰り上げ返済の診断でできます。手数料そのものの仕組みは リボ払いの手数料とはをご覧ください。
方式が分からないままでもできること
明細を見ても方式が判別できないことはあります。 その場合でも、残高・手数料率・毎月の支払額の3つが分かれば、 おおよその見当はつけられます。
毎月の総支払額が一定であると仮定して計算すれば、 完済までの期間と手数料の総額の概算が出ます。 実際の金額とはずれますが、追加返済でどれくらい変わるかという「差」を見る用途には足ります。
正確な金額が必要な場面(全額返済に必要な金額を用意するときなど)では、 必ず契約先に確認してください。試算は判断のための材料であって、請求額ではありません。
最後に、方式の話は「いま払っている額が適切かどうか」を考えるきっかけとして使ってください。 方式そのものを変えられなくても、支払コースを見直せる契約は多くあります。 毎月あと数千円を上乗せできるだけで、完済までの期間と手数料の総額は目に見えて変わります。
自分の契約がどの方式かを確かめ、毎月いくらが元金に充てられているかを見る。 この2つが分かれば、あとは「いま払える額をいくらにするか」という判断だけが残ります。 方式の名前を覚える必要はありません。
