ToMi 16マネータイプ診断の作り方と、言えないこと

この診断は検証された心理尺度ではありません。 お金の扱い方について、本人が申告した内容を整理したものです。 何をどうやって出しているのか、どこからがToMiの表示上の都合なのかを、このページに全部書きます。

1. この診断が何をするものか

40問の設問に答えると、お金の扱い方が4つの次元で出ます。 その組み合わせを、読みやすくするために16の型にまとめています。

目的は、型の名前を付けることではありません。次元ごとに、次に確かめるべき数字の診断へ送ることです。どちらの文字に出ても、送り先が1つ決まるように作ってあります。

16のタイプは、連続した点を読みやすく整理するためのToMi独自の区切りです。 人を16種類に分けられる、という主張ではありません。

2. 何を訊いているか

4つの次元それぞれに10問、合計40問です。 訊いているのは、実際にしているお金の扱い方と、お金に対する構えだけです。性格の設問は1問も入っていません。

次元訊いているもの文字
把握いまの状態を、どれだけつかんでいるか行動を訊くG / O
仕組み貯まる形になっているか行動を訊くS / H
時間いまと先の、どちらへ向いているか構えを訊くF / T
外の知見知らないことに、どう当たるか行動を訊くC / I

回答は5件法(まったく当てはまらないとても当てはまる)です。 どの次元にも逆転項目を3〜5問混ぜてあります。全部を同じ向きで訊くと、 内容を読まずに端へ寄せた回答が、そのまま点になるためです。

知識を問う設問は入れていません。正解のある問題を出して点を付けることはしません。 ToMi は判断材料を出す場所で、利用者を採点する場所ではないためです。

3. 既存の尺度を使わなかった理由

以前の版は、公有の性格尺度(IPIP)60問を使い、ビッグファイブの得点をお金の行動へ 読み替えていました。設問60問のうち、お金に触れるものは1問もありませんでした。測っていたのは性格で、お金の話は一度も訊いていない状態でした。

金融行動を測る既存尺度も調べました。OECD/INFE の Toolkit 2026 は CC BY 4.0 で、 翻訳も商用利用も認められているので、使うこと自体はできます。 それでも使わなかったのは、帰属と免責の表示を背負ったうえで、訳の妥当性は検証されないままになるためです。それなら ToMi が自分の言葉で書くほうが筋が通ると判断しました。

5つ目の次元として、ビッグファイブの開放性(IPIP 10項目)を入れることも検討し、やめました。 IPIP の配布元はこの因子を Factor V (Intellect or Imagination) と呼んでいて、 10項目のうち5項目が語彙力・理解の速さ・抽象的思考についての自己申告です。 「新しい選択肢を試すか」を訊いている項目は1つもありませんでした。 因子の名前だけを見て決めかけていたので、落としました。

既存尺度の項目を、言い換えて使うこともしていません。 改変は翻案にあたるうえ、改変した時点で、公表されている信頼性も妥当性も 当てはまらなくなります。法的な危険を負って、その見返りをゼロにする選択になります。

4. どこから組み立て方を借りたか

ToMi が独自に作った設問です。特定の尺度の項目は使っていません。枠組みの考え方は OECD/INFE・金融庁・CFPB を参照しましたが、設問文はすべて ToMi が書いています。

OECD/INFE Toolkit for Measuring Financial Literacy, Inclusion and Well-Being 2026

借りたもの:組み立て方。行動と態度を分けること、態度は逆転で採点すること、リッカートの平均ではなく閾値で0/1に落として加算すること。

借りていないもの:設問文。この Toolkit は CC BY 4.0 で翻訳も商用利用も認められているが、ToMi は項目を使っていない。訳の妥当性が検証されないまま帰属表示だけ背負うより、自分の言葉で書くほうが筋が通ると判断した。

金融庁「最低限身に付けるべき金融リテラシー」/金融リテラシー・マップ

借りたもの:4分野の分け方(家計管理/生活設計/金融商品の選択/**外部の知見の適切な活用**)。4つ目をそのまま次元にした。

借りていないもの:設問文。マップは教育の到達目標であって、測定の道具ではない。

CFPB Financial Skill Scale

借りたもの:知識とスキルを分ける考え方。スキルを「**初めて直面する判断に対処できる力**」と定義しているところを、次元4の意味づけに使った。

借りていないもの:設問文と採点方法。CFPB が作った資料は public domain で使えるが、英語・米国規準なので、そのままでは当てはまらない。

金融広報中央委員会「金融リテラシー調査(2022年)」

借りたもの:どの次元が半々に割れるかの手がかり。近視眼的行動バイアスが強い人は全国で46.4%、損失回避は74.2%。**4分の3が同じ側に来る次元は、型の軸にしない**と判断する材料にした。

借りていないもの:設問文。同調査のサイト規約は、転載に事前の承諾を求め、**改変を明確に禁じている**(データそのものは出典明記で自由に使える)。

5. 採点の手順

完全に決定論です。同じ回答からは、必ず同じ結果が出ます。 乱数も、日付も、生成AIも使っていません。

  1. 逆転項目は、6から押した値を引いて向きをそろえる。
  2. 1問ずつ、4以上なら1点、 それ未満は0点にする。
  3. 次元ごとに点を足す(0〜10点)。
  4. 4点以上なら高い側の文字、それ未満なら低い側の文字にする。
リッカートの平均は取りません。前の版は項目平均を使っていて、逆転項目と正の項目が釣り合うと合計が構造的に中点へ張り付き、 表示値が全員50%になるという壊れ方をしました。先に0/1へ落として足せば、この打ち消し合いは起きません。

6. 16タイプへの変換と、境の決め方

4つの次元の文字を並べた4文字が、タイプコードです。2の4乗で16通りになります。

1問を1点にする境(4以上)も、次元の文字を分ける境(10問中4点)も、ToMiが表示のために置いた値です。 研究が定めたカットオフではありません。この設問について日本人の規準値は存在しません。

境の位置は、模擬回答で分布を測ってから決めました。 最初は10問中6点以上にしていましたが、それだと高い側に入るのが半分より大きく減り、 ひとつの型に人が集まってしまいました。いまの値では、4つの次元とも 45〜50%前後で割れ、16の型すべてが出ます。

7. 境の近くにいる人のこと

1次元あたりの問数を変えて、1問ぶれると文字が反転する人の割合を測りました(相関を入れた模擬回答20,000件)。

1次元あたり1問で反転する人
4問23%
8問11%
10問11%
12問8%
20問4%

4問から8問への改善は大きいのですが、そのあとは平らです。 20問にしても1割近くが境の近くに残るので、問数では解決しきれません。 それなら短くして、最後まで答えてもらえる確率を上げるほうが効くと考え、10問にしました。

消せない以上、隠しません。境から1点以内にいる次元には「境の近く」の印を出し、 1文字だけ違う型も一緒に並べています。

8. この診断で分からないこと

  • これは**検証された心理尺度ではありません**。お金の扱い方について、本人が申告した内容を整理したものです。信頼性係数(α)や妥当性の裏づけはありません。
  • 訊いているのは**自己申告**です。実際の口座や明細を見ているわけではないので、本人の見立てがずれていれば、結果もずれます。
  • **日本人の規準値はありません。** 何点以上で「できている」とする境は、ToMi が表示のために置いたもので、研究が定めたカットオフではありません。
  • **1問ぶれると文字が変わる人が、1割強います。** 10問にしても、20問にしてもこの割合は大きくは減りませんでした。境の近くにいる次元には、その印を出しています。
  • 16のタイプは、連続した得点を**読みやすく整理するための ToMi 独自の区切り**です。人を16種類に分けられるという主張ではありません。
  • 結果は**いまの扱い方**で、変わります。性格や能力を測ったものではありません。
  • この結果から、特定の金融商品を勧めることはありません。扱い方から資産の額を推し量ることもしません。

9. 回答データの扱い

回答も結果も、この画面の中だけで計算しています。答えている途中で ToMi のサーバーへ 送られることはありません。

ログインした状態で診断を終えたときだけ、次元ごとの点と型コード、版を保存します。40問の回答そのものは保存しません。保存するなら、そのための同意を別に取るべきものだからです。 保存した結果は、いつでも本人が削除できます。

10. 版

設問・判定方法・文言のどれかを変えたら、版を上げます。保存した結果にも版が付くので、 あとから「どの版で出た結果か」を追えます。

診断全体v5.0.0
設問v6.1.0
判定方法v6.0.0
文言v9.0.0
引用したのは、実際に組み立ての参考にした資料だけです。 使っていない研究を、根拠として並べることはしていません。

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