全国健康保険協会

医療費は、1か月いくらまでで済む?

健康保険が使える医療費には、1か月あたりの自己負担に上限があります。 その上限額は年齢と所得で変わり、改正でも動きます。 「だいたい8万円」という一つの数字では、どの区分の、いつ時点の話なのかが分かりません。 ここでは、施行日ごとの版を分けて並べています。

改正時取得2026年9月8日確認全国健康保険協会の公表ページ

上限額の決まり方

  1. 1か月(暦月)ごとに計算します。月をまたぐ入院では、月ごとに別々に数えます。 同じ入院日数でも、始まった日によって自己負担が変わります。
  2. 区分は標準報酬月額で分かれます。 年収でも課税所得でもありません。標準報酬月額は等級で決まる額で、実際の給与とは一致しません。
  3. 計算に使う「総医療費」は10割の額です。 窓口で払う3割の額ではありません。
  4. 直近12か月のうち3か月以上で上限に達した場合、4か月目からは多数回該当となり、上限がさらに下がります。

令和8年8月から、年間の上限が新設されました。月ごとの上限が積み上がっても、年間の上限に達したあとの自己負担は保険者から還付されます。 この「年間」は8月から翌年7月までを指します。暦年でも年度でもありません。

令和8年8月1日から(いま適用されている版)

月ごとの上限が上がり、年間の上限が新設された版。多数回該当の額は据え置き

70歳未満

区分標準報酬月額月の上限額多数回該当年間の上限(8月から翌年7月まで)
区分ア標準報酬月額83万円以上270,300円+(総医療費−901,000円)×1%140,100円168万円
区分イ標準報酬月額53万〜79万円179,100円+(総医療費−597,000円)×1%93,000円111万円
区分ウ標準報酬月額28万〜50万円85,800円+(総医療費−286,000円)×1%44,400円53万円
区分エ標準報酬月額26万円以下61,500円44,400円53万円
区分オ低所得者(住民税非課税)36,900円24,600円29万円

70歳以上

70歳以上は形が違います。外来だけの上限が個人ごとに別に置かれていて、入院を含む世帯ごとの上限とは数え方が違います。 現役並み所得者には、外来だけの枠がありません。

区分対象外来(個人ごと)入院を含む(世帯ごと)多数回該当年間の上限
現役並みⅢ標準報酬月額83万円以上(枠なし)270,300円+(総医療費−901,000円)×1%140,100円168万円
現役並みⅡ標準報酬月額53万〜79万円(枠なし)179,100円+(総医療費−597,000円)×1%93,000円111万円
現役並みⅠ標準報酬月額28万〜50万円(枠なし)85,800円+(総医療費−286,000円)×1%44,400円53万円
一般標準報酬月額26万円以下22,000円(年216,000円)61,500円44,400円53万円
低所得者Ⅱ住民税非課税11,000円(年96,000円)25,700円24,600円29万円
低所得者Ⅰ住民税非課税で、所得が一定以下8,000円15,700円18万円

平成27年1月1日から令和8年7月31日まで

70歳未満は5区分。年間の上限は無く、月ごとの上限だけがあった版

70歳未満

区分標準報酬月額月の上限額多数回該当年間の上限(8月から翌年7月まで)
区分ア標準報酬月額83万円以上252,600円+(総医療費−842,000円)×1%140,100円
区分イ標準報酬月額53万〜79万円167,400円+(総医療費−558,000円)×1%93,000円
区分ウ標準報酬月額28万〜50万円80,100円+(総医療費−267,000円)×1%44,400円
区分エ標準報酬月額26万円以下57,600円44,400円
区分オ低所得者(住民税非課税)35,400円24,600円

70歳以上

70歳以上は形が違います。外来だけの上限が個人ごとに別に置かれていて、入院を含む世帯ごとの上限とは数え方が違います。 現役並み所得者には、外来だけの枠がありません。

区分対象外来(個人ごと)入院を含む(世帯ごと)多数回該当年間の上限
現役並みⅢ標準報酬月額83万円以上(枠なし)252,600円+(総医療費−842,000円)×1%140,100円
現役並みⅡ標準報酬月額53万〜79万円(枠なし)167,400円+(総医療費−558,000円)×1%93,000円
現役並みⅠ標準報酬月額28万〜50万円(枠なし)80,100円+(総医療費−267,000円)×1%44,400円
一般標準報酬月額26万円以下18,000円(年144,000円)57,600円44,400円
低所得者Ⅱ住民税非課税8,000円24,600円
低所得者Ⅰ住民税非課税で、所得が一定以下8,000円15,000円

上限に達しても、払う必要のあるもの

高額療養費が効くのは健康保険が使える医療費だけです。 次のものは対象外で、上限額とは別に自己負担になります。 民間の医療保険が埋めているのは、ここから先です。

  • 差額ベッド代。自分で個室などを希望した場合の費用です。病院の都合で個室になった場合は、原則として請求されません。
  • 先進医療の技術料。全額が自己負担です。治療によっては数百万円になることがあります。
  • 入院中の食事代の自己負担分。
  • 入院中に減った収入。会社員であれば健康保険から傷病手当金が出ますが、国民健康保険には原則としてありません。
  • 家族の交通費・付き添いの費用。

この表に入っていないもの

  • 令和9年8月1日からの見直し。令和9年8月から、さらに見直すことが示されています。額はこの表に入れていません。額が公表されたら版を足します。
  • 国民健康保険・後期高齢者医療の区分。住民税の課税所得で分かれ、標準報酬月額とは軸が違います。 自分の区分は、加入している市区町村か広域連合で確かめてください。
  • 健康保険組合の付加給付。組合によっては、この上限額よりさらに低い額で済むことがあります。 組合ごとに違うので、ここではまとめて持てません。
  • 世帯合算・多数回該当の数え方。金額ではなく手続きの話なので、額としては持っていません。 同じ月に同じ世帯で21,000円以上の自己負担が複数あるときは合算できます(70歳未満の場合)。
  • あなたの区分。標準報酬月額は等級で決まる額で、給与から推し量ると等級のぶんずれます。 加入している健康保険の発行元で確かめてください。

出典

この数字を使って計算する

ここに載せている率と控除額を、そのまま使って計算しています。数字を書き写す必要はありません。

自分の保険を並べて、何から確認すればよいかを出す

この数字は、自動では書き換えません。

高額療養費の自己負担限度額は月1回の見張りで公表ページと突き合わせていますが、 差が見つかっても値は自動で入れ替えません。改正の「年分」と「施行日」はずれる年があり、 公表ページの数字をそのまま入れると、年の途中で誤った額を出すことになるためです。 人が確認してから、期間を足す形で反映します。

この数字の更新について

  • ・税制と保険料率は、金利のような自動反映にしていません。
  • ・一次資料の取得 → 差分の検知 → 人による確認 → 確認日の記録 → 反映、の順で更新します。
  • ・改正の適用時期は「年分」と「施行日」でずれることがあり、数値だけを機械的に差し替えると、 その年の途中で誤った額を出すことになるためです。
  • ・値のすぐ横に確認日を出しています。古いまま置かれていないか、そこで判断できます。